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SCM共同ネット研究会開催▼イーソーコ・大谷副社長が吼える・物流不動産ビジネス活用を提言 

2007年11月01日

 イーソーコ(本社=東京都港区、遠藤文社長)が参画する「SCM共同ネット研究会」(滝沢幹事長)主催の「第1回物流活性化シンポジウム」が10月25日、日本橋公会堂で開催。約100名が集う盛況ぶりをみせた。
 このシンポジウムの基調講演として、イーソーコの大谷巌一副社長が「物流不動産ビジネスの現況と今後について」をテーマに話した。
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      物流不動産について“吼える”大谷副社長
 ここではまず、「物流不動産ビジネス」の盛況ぶりがわかる一例として、日経紙上に掲載された、プロロジス社ジェフリー・シュワルツCEO来日時の記事を紹介。「プロロジス社の日本における物流不動産事業の資産規模は約5600億円。これは日本通運や三菱倉庫の資産を超え、さらに2010年までに倍の1兆2000億円になることが目標に掲げられている。『物流不動産ビジネス』という言葉がここ最近になって浸透してきているが、これは物流業界にとって一大出来事だ」と述べた。
 その上で、規制緩和、保管型から通過型施設への移行、施設の集約化を契機に盛況ぶりをみせる「物流不動産ビジネス」を解説。
 「物流不動産ビジネスを総合格闘技のリングにたとえると、不動産業・金融業の出身母体企業は、リーシング、ファンドを活用し、巨大マネーが動く一撃必殺・スピードが命の『打撃系』。それに対し、物流業の出身母体企業は、運賃・保管・荷役など積み上げ型のビジネス展開で長期レンジの償却を行う、『組み技系』に位置づけられる。今後の事業展開を考えていくならば、総合ファイターとして打って良し、組んで良しの物流不動産ビジネスのプロをめざしていくべきだ」と説明した。
 物流不動産ファンドを活用したMegaセンターが大量供給されたことで、既存施設の集約化が加速。3000~7000坪の大規模センターはMegaセンターへ集約、空いた大規模センターは500~2000坪の中規模センターを集約化して埋め、さらに空いた中規模センターは500坪以下の小規模センターを集約化して埋める、いわゆる玉突き現象が本格化し、立地・設備条件で劣る倉庫の空き物件数が増大していくなか、どうするのか? との物流業者の最大の関心事にはつぎのように回答。
 「ビジネスとして、従来のあり方では駄目。変化に柔軟に対応していかなければ生き残れない。たが中小が多くを占める物流業者としては、巨額の資本が必要となる物流不動産ファンドを活用した施設を建てていくことは困難。建てられた施設をいかに利用するかにとどまると思う。そうした状況のなか、1つの大きなキーとなるのが倉庫リファインだと考える。倉庫リファインは倉庫が持つ、①ほかの建築物に比べて強固な躯体を持っていること、②柱スパンが大きく、天井高も高くとってあるため、自由な大空間を使える-メリットを活用し、老朽化した建物を全面的な建て替えによって蘇らせるのではなく、建築廃材をできるだけ最小限に抑え、コストを抑制した形で倉庫に限定することなく、オフィス・ビアホール・ダンスホールなど、あらゆる事業形態を想定した改修を図り、既存施設の収益性を高める手法。イーソーコでもこれまで、オフィス、バレエスタジオなどのリファイン事業を図り、収益性のアップにつながっている」と述べた。
 そうした解説のあと、進化論を唱えたダーウィンが述べたとされる「この世に生き残る生き物は、最も力の強いものか。そうではない。最も頭のいいものか。そうではない。それは、変化に対応できる生き物だ」との有名な一説を、生き物を企業に置き換え、「生き残る企業は、最も力の強いものか。そうではない。最も頭のいいものか。そうでもない。それは変化に対応できる企業だ」との言葉を提示し、講演を締めくくった。