ここからは、空き倉庫と借り主を結び付ける仲介サービスの具体的な説明になります。
物流不動産ビジネスの基本は「売り先行」です。不動産業界の方にとっては、当然の考え方ですが、物流業界の方で分かる方はあまり多くはいません。これだけとっても、物流不動産をビジネスにするのは、難しいものです。
「売り先行」とは、物件情報を多く収集し、専任契約を結ぶことです。当社が多くの物件を押さえて、仲介や販売に常に備えておくことです。「空き物件は多くあるだろうけど、物件を求めるには大金が必要。そんな借り主企業なんて簡単には見つからない」と考える方もいらっしゃるとは思いますが、営業でまわっていると、潜在的な需要が大きいことを実感します。
すでに倉庫・物流センターを利用している物流・荷主企業でも、現状に不満を持っている企業が多いのです。荷主の中には、自社で効率化を進める企業もあります。物流企業は、荷主から3PLや効率化を求められるようになっています。現状に満足せず、さらにレベルの高い物流を構築しようとする企業は、着実に増えてきています。そこに新しい物流不動産を求めるニーズがあるのです。
一方で、物流企業の要望が厳しくなっているのも確かです。そのため、要望に答えるためには、多くの物件を抱えることが必須となってきます。そして、タイミングと条件次第で、物件と借り主のマッチングに成功します。
物流不動産を行なうときにポイントになるのは、物件情報の収集、倉庫を利用する企業の開拓、契約のタイミングの3点だと言えます。
物流不動産には、物流・不動産・建築・金融のさまざまな知識・ノウハウが必要になります。何より大事なのが、各分野の商慣習の違いに精通しておくことです。先ほどの「売り先行」のように、ひとつの言葉でも、意味が通じないことが多いです。ここを押さえておかないと、誤解やすれ違いの原因になってしまいます。
一番大きな違いは、物件への評価の仕方です。物流では、収納力を見るため、立方メートルが第一のポイントになります。さらに拠点のヤードの有無、床荷重といった性能、幹線道路からの距離を重視します。一方で、不動産では、広さを見るため、平方メートルをポイントにおきます。また、拠点では、築年数、エアコン、照度といった性能、最寄り駅からの距離を重視します。
もし、この両者だけで話し合ったとしたら、どうなるでしょうか。求めている物件を見つけるためには、相当な労力と時間が必要になることでしょう。途中で破談することもありえます。物流不動産ビジネスは、その潤滑油のようなものです。お互いが求めている情報をまとめる役目です。それが物流不動産に関連する業界の人とのネットワークを構築し、さらなる情報が手元に入ることになります。その情報には、空き物件だけでなく、物件を借りたいという情報も同時に舞い込むようになっていきます。
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大谷 真也(おおたに・しんや)
高校を卒業後、自動車が好きだったことから車の買い取りを手がける会社に営業職として就職。しかし、2ヵ月後に会社の閉鎖が決まり、倉庫などの仲介や改装提案などを行う現在の会社へ転職する。1年間、社内業務や先輩のサポートを中心に仕事を学んだ後に営業デビュー。入社5年目の現在は物流不動産部の係長として活躍している。


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