一般紙などのマスメディアにも“物流不動産”という言葉が踊るようになりました。我々は物流不動産ビジネスを「物流施設を基軸とした総合営業」として、物流の改善を物流施設面から提案していっています。そのため、物流・不動産・建設・金融といった知識やノウハウが幅広く求められるビジネスです。ひとつの業界のノウハウを持っている企業はありますが、すべてをカバーできる企業はなかなかありません。それが、弊社が物流不動産ビジネスを確立できた大きなポイントです。
当社が行っている「物流不動産塾」にご参加いただいている企業さまの業界は千差万別です。倉庫から運送、荷主、不動産、建築、銀行となかなか一堂に会することがないメンバーです。これだけでも、物流不動産の複雑さをご理解いただけるかと思います。
さて、倉庫と“物流不動産”の違いはどこにあるのでしょうか。倉庫の基本は、保管業務(寄託契約)でした。しかし、今は、物流拠点自体の床貸し(賃借契約・不動産業)へと比重が移ってきています。もともと、倉庫業も不動産業も土地・建物をビジネスとしてきました。業務が融合していくのは自然の流れです。倉庫と不動産の融合した結果が物流不動産なのです。
床貸しの流れが加速したのは、外資系ファンドが建設した賃貸倉庫でした。今までほとんどなかった延べ床1万坪以上の超大型・高機能物流施設(メガセンター)が大量に建設されました。当社の調査では、すでに合計延べ床面積で300万坪以上の拠点ができ、今後2年以内にさらに同200万坪の拠点が全国各地にできます。これらの拠点が、荷主企業の効率化、物流企業の3PLニーズともあいまり、拠点の集約を起こしました。そこには大手製造業者、路線・一般運送業者、国際物流企業など、多くのプレーヤーが絡み、今までにない物流改革の流れとなっています。
今まで、運送のみを行なっていた陸運企業が中心となり、3PLが始まりました。3PLをやるためには拠点が必要という考えができ、保管型倉庫から、貨物を動かすことを考えた物流センターが多く建設されるようになりました。しかし、問題なのは、超大型拠点を持たないと3PLはできないという考え方が定着してしまったことです。
そのため、「メガセンターへの集約はもう一段落した」という声も聞きますが、半分は当たっています。今までは資本力の強い大手荷主企業が物流再編を行なってきました。それがメガセンターのニーズを高めてきました。今後も、その流れがなくなることはないでしょう。しかし、これから中心になるのは、準大手企業による物流再編です。大手が使っていて再編で空いてしまった大・中規模センター・倉庫への集約が加速します。そうした“玉突き現象”が起こり、最終的に空きができるのは、使い勝手の悪い小規模倉庫になります。それが、今の物流不動産業界の現状です。
私たちの物流不動産ビジネスは、「超大型物流センターへの集約による物流効率化」「空いた大・中規模拠点への新規荷主提案・荷主への物流効率化提案」「小規模倉庫の改修による価値向上」といった拠点の規模にかかわらず提案できるメニューを持っています。決して、物流効率化=メガセンターへの集約だけではありません。
具体例については、事例を交えつつ、公開していきます。物流不動産ビジネスがどんなものなのか。皆様のビジネスの一助になれば幸いです。どうぞご期待ください。
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大谷 巌一(おおたに・いわかず)
イーソーコ株式会社 取締役副社長。株式会社イーソーコ総合研究所取締役副社長。協同組合物流情報Net-e理事長。物流不動産ビジネスの発案者。日本物流不動産評価機構 有限責任事業組合 評価員


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