「案件情報の扱い方」でも書きましたが、物流不動産の営業は、ちょっと変わっています。ただ、手持ちの物件で延べ床面積と地域が合致するものを売るだけではありません。それでは、成約はありえません。
手持ちの物件をどのように魅力あるものに磨き上げていくか、荷主・テナント企業にとって、物流改善に必要な本当の物流施設とはどういったものか。そういったことを考えながら、営業を行なっていかないと成功はありません。人脈・ネットワークの構築、情報の収集、コンサル能力などが求められます。
実際の営業フローは、
1. 倉庫の属性を知る
2. 営業スキーム(体制)と業種インデックス
3. 物件の評価結果
4. 提案活動
の4項目に分かれます。
まずは、営業倉庫、自家用倉庫、不動産(賃貸)倉庫といった大まかな分類を知る必要があります。営業倉庫ならば、1類~8類とトランクルームに分かれ、倉庫によって保管できる貨物が変わってきます。倉庫業を営んでいれば、基本的なことですが、自家用倉庫を営業倉庫に用途変更しようとする企業では、知らない人が多いです。そういった基本を押さえていくのが、遠回りのように見えて、すれ違いを防ぐ第一の手段です。
さらに倉庫の施設によって、保管しやすい貨物、保管しにくい貨物があります。例えば、天井高が3メートル以内だと、アパレルや什器、精密機器などに合いますが、同3メートル以上だと、飲料や建材、家具などの保管に便利です。
倉庫も賃貸するのか、売却するのか、売却後に借り受けるセル&リースバック方式を取るのか、いろいろな営業スキームがあります。倉庫業者、荷主・テナント企業がそれぞれ何を望んでいるかを聞き出せなければ、そこまでの提案はできません。
さらに重要なのが、物件の評価です。倉庫の広さなどの基本情報だけが分かっても、荷主・テナントと成約するのは不可能です。
物流面だけでなく、不動産面、建設面から総合的に評価をしないといけません。
物流面では、ヤードの広さや接車バース数、天井高、床荷重などから、どのような貨物に合うのかを判断します。
不動産面では、インターチェンジや国道からの距離、パート確保のしやすさ、周辺環境などを確認いたします。
建設面では、耐震診断やアスベストの有無などを行ないます。
その3点を評価したうえに、周辺のマーケット性を確認。倉庫の能力と周辺のマーケットが合っているかが重要になります。また、改修の可否も確認し、場合によっては新たな設備へバリューアップすることも提案します。
そこまで、設備を確認してはじめて、荷主・テナントへの提案ができ、成約が可能となります。
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浦川 真広(うらかわ・まさひろ)
イーソーコ株式会社物流不動産部主任。美容業界より物流不動産業界に転身。横浜にて物流コンサル会社に2年間勤務、物流不動産のリーシング業務や、物流改善コンサル等を行う。2006年4月、イーソーコ株式会社に入社。前会社を含め約5年間の物流不動産リーシング実績は延べ約2万坪に及ぶ。現在、物流不動産部主任として活躍、お客様のご要望に対して、より良い提案をできるよう物流不動産ビジネスに邁進している。


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