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生駒データサービス▼2007年下期の物流施設市況、首都圏は空室率改善 

2008年02月04日

【LNEWS(http://www.lnews.jp)】CBリチャードエリスの調査・研究部門である生駒データサービスシステムは1月30日、2007年下期の物流施設賃貸市況レポートをまとめた。
レポートによると、首都圏の賃貸市況動向は堅調な需要が続き、継続的な新規供給がありながらも空室率が改善した。一方、大阪地区は湾岸エリアの大量供給により競争が激化。愛知では好景気を背景に需要が堅調としながらも、顕在化は限定的としている。
首都圏の賃料動向は、埼玉県の平均募集賃料が前期比でマイナス1.4%となったが、東京都では前期比12.1%増と2006年の水準に戻り、神奈川県が同0.7%増、千葉県も同2.1%増となった。東京都は旺盛な需要が堅調に推移するものの、利便性の高い空室物件の少なさ、都内の供給不足に対する埼玉・千葉・神奈川での供給増加、交通利便性の高まりが影響し、需要が周辺エリアに流れる傾向となっている。
首都圏の空室率(マルチテナント型物流施設)の推移をみると、2007年下期では新規供給が2棟あったものの、どちらも満室稼働でのスタートとなったため、2007年9月は7.7%、2007年12月は5.3%と低下。大型物流施設の供給が続いているが、拠点の集約・統合や物流業務のアウトソーシングによる大型需要が増加しているため、空室消化は順調に進んでいるとした。
不動産投資家などによる開発案件の推移をみると、直近の2007年では100万㎡に迫る勢いで新規供給が行われ、2008年も120万㎡を越える供給が予定されていることから、供給は加速しているとしている。
大阪府の中・大型施設は、平均募集賃料が前期比プラス3.6%と上昇。湾岸部は大型物流施設の供給が続き、潜在需要などによる空室消化は進んでいたが、テナント獲得競争の激化から空室消化のペースに影響を与え、需給はやや緩和の動きを見せ始めている、と分析。
内陸部は空室改善が概ね進み、特に大型の供給はみられず品薄感が強まった。不動産投資家などによる開発案件の推移をみると、2006、2007年と湾岸部を中心に40万㎡を超える水準の供給があった。これに伴い2007年下期では空室率が上昇し、2007年12月期では26.1%と高い水準となった。2008年も30万㎡を超える水準の供給が予定されており、現状の需給バランスを考慮すると、供給過剰の懸念は否めない、との見方を示している。
愛知県の中・大型施設の平均募集賃料は、2007年下半期は坪単価3020円と2007年上期の2930円から3.1%上昇。2003年以降からは3000円前後で安定的に推移している。愛知県内では、好調な地域経済を背景として物流施設に対する潜在的な需要も高まっているが、利便性の高い立地での新規供給や、既存物件の空室が少ないことから、需要の顕在化が限定的となっている。
不動産投資家などによる開発案件については、好業績のメーカーによる用地取得や市街化調整区域が多い地域特性などから、優良用地の取得が困難な状態が続いている。
レポートの発行は1月31日。