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国交省▼新たな資格制度検討 ドライバー不足対策で 

2014年04月02日

輸送経済

 トラック業界で深刻化するドライバー不足の対策で、国土交通省は高い運転技術などを持つ人に公的な資格を与える制度を検討する。就職に役立ったり、入社後のキャリアアップにつながる資格をつくることで、業界で働きたいと思う若者や女性を増やすのが狙いだ。
    
 12日、トラック産業の健全化と活性化を議論する有識者懇談会で方針を示した。4月以降の有識者懇で具体的な案を提示し、どのような資格ならドライバー不足の解消につながるかを考える。
 業界では若手就業者の割合の低さが課題となっている。総務省によると、平成24年の全産業に占める20代以下の割合は16.7%。対してトラックは9.8%しかいない。逆に40~50代は51.6%と、全産業平均より9.1ポイント高い。このままだと将来的に若手・中堅層が極端に少なくなる懸念がある。
 国交省はドライバーになった後のキャリアアップに向けた中長期的な展望が不明瞭な点が、人材不足の原因の1つとみている。他産業には簿記、宅地建物取引責任者などの資格がある。一方、トラックには運転免許以外の公的資格はなく、「自分をアピールしたり、会社から評価される」(加賀至貨物課長)制度が必要だと判断した。

一般人の取得も視野に

 国交省は20年、トラックの労働力不足を話し合う有識者会議で、優良ドライバーを公認する制度を議論。トラックドライバー専用免許(第3種免許)の創設といった案が出たが、実現できなかった経緯がある。
 新たに検討する資格は過去の有識者委員会の報告書を参考にしながら、よりドライバーの地位向上につながるものにしたい考え。すでに働いているドライバーだけでなく、一般の人も資格を取れるようにし、業界に入る若者や女性を増やせないか考える。
 「荷主からも価値があると思われる資格をつくりたい」と加賀課長。今後は、どのような技能を資格対象とするかなどの議論を進める方針だ。(小林 孝博)