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配送領域は多様化▼物流C業務に商機 通販物流の成長性・前編  

2014年04月02日

輸送経済

 野村総合研究所の予測で、平成30年度に24年比2倍の20兆8000億円に拡大するとされる消費者向けEC(電子商取引)市場。その代表格であるインターネット通販の物流とは一体どんなものか、どれだけ成長するのか。自らも通販物流支援サービスを手掛けるイー・ロジット(本社・東京)社長の角井亮一氏に聞いた。

物流C部門で競合関係ない

 インターネット通販の仕組みはまず、販売、物流センター、配送の3つのプラットホームに分かれる。販売部門のプレーヤーはネット通販を手掛けるヤフー、楽天、アマゾン、ゾゾタウンなど。物流センター部門は楽天物流、アスクルなど、当社も含まれる。配送部門は主にヤマト運輸、佐川急便、日本郵便の3社がエンドユーザーへの配送を行う。近年この領域の選択肢が増え、自転車配送のエコ配、コンビニやJR駅店舗での受け取りもある。
 物流センター部門はさらに(1)モール系3PL(サードパーティー・ロジスティクス)(2)通販特化型3PL(3)大手3PL――の3つに区分でき、各タイプ間で競争関係がない点が特徴だ。
 (1)のプレーヤーにはアマゾン(フルフィルメント by Amazon=FBA)、楽天物流、ヤフー・アスクルといった企業、(2)にはスクロール360や当社のような企業、(3)には日立物流やハマキョウレックスなどが挙げられる。メーンは(1)、(2)の企業だ。
 誤解されやすいのが、(1)~(3)の企業間の関係。よく「イー・ロジットさんは楽天物流さんと競合するでしょう」と聞かれるが、実際は違う。例えば、楽天物流と当社で顧客が相見積もりを取ることはない。

小口顧客は通販型3PLを利用

 また、販売情報が競合他社に分からないようにするために、楽天で売れた物は楽天物流に、アマゾンで売れた物はFBAに、物流は任される。楽天で売れた物をFBAに任せる、あるいはその逆でアマゾンで売れたものを楽天物流に任せる、ということはしない。
 在庫を各モール(アマゾン、楽天など複数の店舗を集めたウェブサイト)ごとに分けて持てるほどの規模にまだ満たない顧客の場合は、当社のような通販特化型3PL企業が、複数モールと顧客の自社サイトで売れた商品の出荷分の物流を任されることが多い。=後編に続く(文責・矢田 健一郎)