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27年度概算要求▼労働力不足など主眼に 羽尾 一郎 物流審議官 

2014年08月19日

輸送経済新聞社

 国土交通省の羽尾一郎物流審議官は1日、就任会見で、平成27年度概算要求では(1)労働力不足への対応(2)職場環境の改善(3)地域の物流ネットワーク維持・確保――に重点を置く考えを示した。
 労働力不足については、昨年度末、消費増税前に貨物量が増え輸送力不足が懸念されたことに言及。できるだけ少ない労働力で多くの貨物を運べるようにする観点から、輸送業界は再配達の削減、物流の自動化・省力化に取り組む必要性があるとした。
 職場環境の改善は、働きやすさを高めて女性・高齢者の就業推進、人材確保を図る。地域物流ネットワーク維持・確保は、政府が重要課題に掲げる「地方の活性化」を支えることが目的。
 また、税制関連では倉庫業の特例措置が焦点となるとし、「物流の総合化・効率化を推進するためにも重要な課題。関係者からの要望も踏まえて適切に対応していく」と述べた。

「一般の人にも分かりやすく」

 就任に当たっての抱負では、総合物流施策大綱や交通政策基本法、交通政策基本計画に基づき、(1)物流の競争力強化に向けた高度化・効率化(2) 持続可能な物流ネットワーク構築(3)安全・安心な物流の確保――に取り組むことに加え、物流に関連する用語を「一般の人に分かりやすい言葉にすることが 必要」とした。
 「物流は売上高が旅客の2倍の約20兆円、日本のGDPの4%を占める重要な産業で、経済活動を支えていく上で不可欠な社会基盤である一方、国民に重要 性をもっと理解してもらうことが必要だ」(羽尾物流審議官)。分野として専門性が高く、BtoB(企業間取引)の業務が主なため専門用語が多いと指摘、分 かりやすい言葉に言い換えていくことで物流をより身近に感じてもらうことが、物流のイメージアップや人材確保にもつながると強調した。

(略歴)
 羽尾 一郎氏(はお・いちろう) 昭和34年5月4日生まれ、55歳。大阪府出身。58年東大法卒、運輸省(現・国土交通省)入省。平成20年航空局航 空部航空政策課長、23年経済産業省大臣官房審議官(商務流通・国際博覧会担当)、25年国交省大臣官房審議官(鉄道局担当・官公庁併任)などを経て、 26年7月物流審議官。(村山 みのり)