物流不動産ニュース

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顧客満足 CS − 第2回 現場のスローガン 物流改善12の視点

 『真実は、会社の外にある。』物流はコストダウンが重要といつも言われていますが、物流事業者にとってしてみれば、業務効率化によって内部コストを引き下げても、収入が減ってしまっては運営ができなくなるのです。
 顧客にとっての物流コストが我々の収入だから、顧客のコストダウンを進めれば進めるほど苦しくなってしまう。顧客満足とは値下げや売上の低下をわざわざ促進することではないはずです。顧客満足と売上の関係は、常に悩ましい運営課題だと言えるでしょう。
 とはいえ、自社事業を進めるための売上やコストは元々は顧客の財布にあるのです。そこから頂戴するのがビジネスで、どちらが正しいかと言えば顧客が正し い。すべてはお客様の側にあって、我々の都合などは聞いて貰えないのです。だからといって、お客様の言い分をすべて呑み込むことが本当の顧客満足経営なの でしょうか。
 それははっきり違うと断言できます。同じサービスを他社より安く提供するなら、自分の首が絞まる。お客様の満足は私たちへの支払い、売上そのものが伸びないで、顧客満足とは笑止千万、本末転倒となるのです。
 新たなサービス、お客様が考えもしなかったサービスを次々と打ち出して、きちんと対価を頂戴してこそ顧客満足に徹したことになる筈です。自らが考え、自らが生み出し、そして顧客や他部門への奉仕と対価を求めることが顧客満足の真の姿なのです。
 売上高は顧客の支持そのものを表しています。売上が伸びない、というのは安い料金で事業を進めているからではなく、お客様の絶対数が少ないからでしょ う。取り扱う物量や商材が少ないのかも知れません。売上は単価と数量の掛け算で成り立つのだから、デフレであろうとインフレであろうと、売上を追求するに は単価か数量、新たなサービスを生み出すか、既存のサービスに付加する価値を生み出すしかないのです。
 売上を上げるための努力、そして顧客から値下げ要求を交わしながら、新たなサービスを提供し続けて売上を維持する努力。それらの結果、売上が伸び続ける ことが顧客満足経営といえるのです。奉仕と新規開発こそが物流部門に欠かせない重要な要素といえるのではないでしょうか。
(イーソーコ総合研究所主席コンサルタント 花房 陵)