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ラストワンマイルが変わる?▼ネット通販 コンビニ受取拡大で 

2014年11月19日

自宅にいながら欲しい商品が手に入るインターネット通販。時間帯指定や翌日配達など、配送面のサービス向上もあり、市場規模は今後も拡大が予想される。一方、購入商品を自宅ではなくコンビニ店頭で受け取れるのを強みに、ネット通販の売り上げ拡大を図るのがセブン&アイ・ホールディングス。「全国1万7000店舗のインパクトは大きい」(日本通信販売協会)と、通販業界も注視する。

セブン&アイは平成27年秋をめどに、利用者がネットで購入した商品をコンビニで当日受け取ることのできるサービスを始める。まず首都圏でスタート。購入できるのはイトーヨーカ堂やそごう・西武などの商品約300万アイテム。埼玉県久喜市のネット事業専用物流センターに商品を集め、既存の店舗配送網を利用して運ぶ。一部店舗では、ネットスーパーで購入した商品をコンビニで受け取ることのできるサービスを、試験的に実施している。

 

1人暮らしのニーズに対応

既存のネット通販大手との差別化をどう図るのか。セブン&アイは「コンビニ店頭で受け取れる点」を挙げる。「1人暮らしの利用者で、自宅に届けてほしくない、自宅を知られたくないというニーズは確実にある」(同社)。全国に1万7000店(8月末時点)あるコンビニ店舗網を生かし「利用者のニーズに応える」(セブン&アイ)。

同社は現在、ネット・店舗を問わず顧客にアプローチし商品購入につなげる「オムニチャネル戦略」を推進。カタログ通販大手ニッセンホールディングスを買収するなど、着々と手を打っている。

こうしたセブン&アイの動きについて、日本通信販売協会の柿尾正之理事は「ネット通販の〝ラストワンマイル〟の考え方が変化している」と語る。自宅に届くことが前提なら宅配便が必要。だが、都市部のようなコンビニ密集地域であれば、コンビニを自宅の延長と見なして商品を受け取ることも可能だ。

 

〝自宅の延長〟多様な使い方

「若い人の中にはコンビニを『冷蔵庫代わり』にする人も。都市部に限られるだろうが、コンビニ受け取りによるネット通販は今後も拡大するだろう」(柿尾理事)。

野村総合研究所の予測によると、ネットを経由した消費者向けの商品・サービス販売の市場規模は、24年度からの5年間で2倍の20兆8000億円に達する。拡大する市場で利用者の心をつかむサービス合戦がさらに加速しそうだ。

【 輸送経済新聞社 http://www.yuso.co.jp 】