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人づくりは社会づくり その1「地域社会の門戸」 - 120 

世の中には色々なイベントが開かれているが、大抵の場合、参加者に制限が設けられている。主として年齢や居住地域、性別など、実に多くのフィルターがかけられ、物好き、もとい好奇心旺盛な新参者は度々振り落とされてきた(筆者もその一人であり、諸賢の中にも覚えがあろうと拝察する)。中にはお知らせに「どなたでも自由にご参加ください」と書いてあるから大丈夫だろう、と参加してみたところ「知らない(紹介のない)人はダメ」等という不可解な理由で門前払いを食らった事もあったが、それなら最初から「一見さんお断り」とでも書いておいて欲しいものである。

さて、そんなに敷居が高いのだから、さぞや中では大盛況なのか、あるいは少数であっても高いレベルを保って活動しているのか、と思えばそうでもないらしく、人手不足、後継者難に見舞われているコミュニティが少なからず存在している。自分たちで拒否していながら、新規参入のないことを嘆く姿にはかける言葉もないが、これが地域単位にエスカレートしたものが、いわゆる過疎化である。それでは、参加対象を無制限にすれば問題は解決するかと言えば、これまた人が集まらないものである。

人間には同質を好んで異質を排除する習性があり、こと日本人には似た者同士で集まって、安心を求める傾向が見られる。要は少しでも「馴染みのあるメンバー」でつるんでいたい、と言ったところであるが、コミュニティの拡大・発展を度外視するなら、それもまたよしである。しかしコミュニティは地域活性の基盤であり、単に自分たちが楽しむだけに留まらず、同好等のつながりを通して地域交流を促進し、ヒト・モノ・カネの循環を生み出す役割が期待される。

よって誰もが社会の一員たる自覚を高め、次世代を視野に入れた態度こそが、持続可能なまちづくりを実現する第一歩と考える次第である。

 (フリーライター 角田晶生)2015.09.20

20150920