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物流、物流不動産、倉庫を網羅した
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自動運転トラックは電気オペレーターの夢を見るかも - 123 

警察庁が自動車の自動運転についての検討委員会を設置する。自動車メーカー各社はここ数年来、自動運転技術の開発に本腰を入れて取り組んでいるが、委員会では実際に公道を走らせるにあたっての法整備や道路の形態などについて検討するという。

自動運転の最も大きなメリットとして挙げられているのが、安全性の向上と道路交通の効率化だ。物流業界でいえば、人材不足にあえぐ物流業界のなかで最も深刻といわれているトラックドライバーの不足を補うことができる。早急な人口増が見込めず、海外からの人材受け入れにも具体策がでていない現在、これはトラックドライバー不足を解決できる決定打といっていいだろう。国内のメーカー各社が自動運転技術確立の目標として掲げているのが2020年。東京オリンピック開催時には、公道を自動運転のトラックが走りまわっているかもしれない。その時、倉庫はどうなっているのだろうか。

今日でも完全自動の倉庫やロボットが導入された倉庫はあるが、ごく一部だ。それもロボットが活躍できる場面といえば、パレットの移動や規格化された物品のピッキングなどこれまた一部にすぎない。さまざまな物品のピッキングが可能なロボットやあらゆる庫内作業を可能にする制御技術なども開発されつつあるが、今のところ専用設備が整った倉庫内での行動が前提で、既存の倉庫内での行動には限界があるようだ。無人搬送車の普及もさほど進まず、自動車の自動運転に対し遅れをとっている感がある。

倉庫内ロボットの開発にも電機メーカーをはじめ多くの企業が乗り出しており、こちらも実用化の目標はおおむね2020年。そのころには、バースに着いた自動運転のトラックから、ロボットが荷卸しをする。そんな光景を目にすることができるかもしれない。それも専用の新築倉庫ではなく、既存の倉庫でだ。年季の入った倉庫と自動トラックやロボットの組み合わせ。なんだかサイバーパンクっぽくて格好いいじゃないかなどといったら不真面目だと叱られるだろうか。

格好いいじゃないか。

(久保純一)2015.10.20