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サブスクとプラットフォーマーの限界 

サブスクリプション市場の拡大がとまらない。音楽配信からクルマ、衣料に食事、家電に玩具に住宅と、文字通りありとあらゆるサービスが展開されている。仕組み自体は新しいものではなく、端的にいえば、これまで定額制とか使い放題などと呼ばれていたものである。新しさがあるとすれば、申込みや認証、料金の支払いなどにネットを経由させている点だろう。利用者はイニシャルコストなしで手軽に利用でき、メンテナンスも不要、いらなくなったら返せばいいため身軽でいられる、といったメリットがある。

サブスクリプションサービスを提供する事業者は、自社が保有するアセットを提供するものと、他者が保有するアセットを借りるか使用料を支払ったうえで利用者に提供するものの二通りに分けられる。いずれにしても、提供するアセットの調達や整備、配送などのコストを負担するのは事業者側だ。利益を上げられるか否かは、ニーズとコストのバランスをいかに的確に読めるかどうかにかかってくる。

不動産においても、サブスクリプションサービスが次々と誕生している。定額制で好きなところに住み放題といったものが主流だが、不動産オーナー向けに定額で物件管理や建物修繕を行うものも登場している。住み放題など不動産におけるサブスクリプションは事業者が物件を保有していない場合が多く、いわゆるサブリース形態をとっている点が特徴的だろうか。サービス名も「サブスク」ではなく、ユーザーとオーナーを結ぶ「プラットフォーマー」を称していることも多い。

揺れていたプラットフォーマーという言葉の定義も、おおまかに「ネット上で大規模なビジネス基盤を構築した企業」という意味に定着しつつある。その収益は独自に構築した基盤上でのサービス提供によって得ていたが、昨今はむしろサービスを提供する過程で得た情報をビジネスにつなげる動きが活発化している。収集したデータからニーズを読み取り新たなビジネスを立ち上げたり、購買データや利用データから嗜好を判断して製品開発につなげたりといった手法は、珍しいものではない。提供するサービスによって得る利益よりも、その過程で生まれる情報を活かすのである。

不動産におけるプラットフォーマーを目指すのであれば、単なる転貸で収益を得て喜んでいる場合ではない。本質的な課題は得られたデータをいかに活かすかであって、オーナーに支払う賃料負担に四苦八苦し、利用者の増減に一喜一憂しているようでは将来につながる価値は生まれ得ないのだ。筆者の記憶では、再生過程に入ったウィーワークもプラットフォーマーを目指していたはずである。

久保純一 2019.12.5

 

 


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