今まで、人を運ぶことを中心に考えていた宇宙開発。それが、国際宇宙ステーションでの長期滞在ができるようになった。若田光一さんのように、帰還に利用するスペースシャトルの発射延期で、予想以上に長期滞在を強いられる場合が出てきた。物資の補給も含めた“物流”というのが、本格化する。
　そこで、物流企業が持っているノウハウが役立つことは十分に考えられる。しかし、それとは逆に、宇宙開発の面から考えられた物流の仕組みが、既存の物流の仕組みに新しい刺激となることもありえるのだ。
　科学という視点を組み込んだ新しい物流。それが、どんな姿になるのか、今から楽しみだ。
　そして、宇宙の物流が整備されれば、宇宙での生活や、旅行などが現実味を帯びてくる。逆に言えば、物流が整備されなければ、宇宙での生活や旅行は、夢物語でしかない。
　今回のＨⅡ－Ｂロケットの成功から、物流という社会インフラが見直される契機になると面白い。