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変わる家電オーディオ業界 その1 − 第20回 大きく変わる業種・産業界

 家電業界の王様商品、テレビについて考えてみましょう。パナソニックはかつて、画王シリーズと銘打って大型ブラウン管テレビで大儲けしました。 シャープは亀山工場で大型液晶テレビを大々的に打って出て、オリンピック商戦を勝ち抜けましたが、今やその工場はまもなく大型倉庫に生まれ変わろうとして います。
 日本製の家電製品の歴史は古く、テレビは欧米に大進出。冷蔵庫や洗濯機、炊飯器という世の中の奥様が大フアンになっている商品は軒並み10万円、20万円、30万円の大台を越える超利益商品でした。

 洗濯機のサンヨーはパナソニックに吸収。そしてパナは冷蔵庫をハイアールに譲り渡そうとまでしています。大型家電量販店のメッカ、秋葉原の石丸電気、ラオックスはすでに中国資本傘下に入りました。
 このような家電業界の大変革は、わずか10年の歴史で進んできています。
今、再びSONYの去就が話題を集めています。すでに本拠地や研究所の不動産を売却して、リストラ推進中ですし、これといってヒット商品が登場できていません。
 もともとソニーは古くから事業の多角化を進めてきましたから、映画コンテンツや保険金融サービスなど、ブランド力をフルに活用した成長を遂げてきました。

 従来の大型家電製品は、台湾、中国、アジア勢の低価格商品力に叶うわけもなく、日本ブランドはゆるいでいるところです。さらに、小型家電というカ テゴリー商品では、扇風機、掃除機、小物家電商品で中堅ブランド、特に家庭用品を出自としたアイリスオーヤマの成長ぶりが著しいところです。

 このようにかつての棲み分けや競合業界はすでになくなり、家電業界では超高級製品のヨーロッパ、低価格のアジア、新機能の日本製という柱が欲しいところなのですが、肝心の日本が弱含みです。
 それは、なぜでしょう? 家電製品メーカーという強みを見失ったところに課題がありそうです。世界を相手に戦ってきた日本ブランド、シャープ、パナソニック、ソニーなどは、ブランド戦略で実は傷ついていたのでした。
 液晶のシャープは高機能高価格、パナはナショナルとのブランド統一を遅れたために住宅と家電が分離したイメージで苦戦していました。ソニーはせっかくアメリカで成功したのに、肝心の日本では出遅れて世界競争でスタートダッシュに遅れてしまいました。
 アジアのブランドは明確でした。韓国、台湾、中国共にホドホドの機能と日本製品と比較して圧倒的な低価格で勝負をかけてきました。
 しかも、アジア全域では機能と価格のバランスを工夫して、日本は手放してしまったブラウン管型テレビをインド、アフリカで売りまくっています。
 ブランディング、価格と機能、商品差別化、この辺りに日本の失策が目立つのです。
しかも、家電王国と自負していたために後発の新規メーカーの参入を許してしまい、戦国時代となっているように見えます。
 これからの勝者はどこに落ち着くのか。アジアや世界では人口も住宅もまだまだ成長しており、家電製品のマーケットは拡大一辺倒なのです。

(花房 陵 イーソーコ総合研究所主席コンサルタント)


国際物流総合展2021