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教育の秘訣ー第4回 物流不動産Bizの人材開発

新人は何でも教わるものだと思い込んでいると、新任マネージャーへの道は閉ざされる。組織の期待は「教われば、他を教え育てられるはず」という条件反射なのだ。マネージャーの難しさは、業務をこなしながら部下の育成を期待されているところにある。ところが肝心のマネージャー諸氏にはその余裕がほとんど無い、これが経営の大問題であることに気づかない。

会社の仕組みを教えたら、あなたを通じてさらにそれは広がるものだと信じられている。また、そうでなければいつまでも教育という作業が組織の仕事になってしまう。

マネージャーはプレイヤーとして業務をこなし、そして成果を保証しなくてはならない。業務は一人ではこなせず、多くの部下と仲間をチームとして取り組む必要がある。そして、チームのレベルは教育や指導の成果に左右される。だから、教育手法や体制を作りあげることがマネージャーの隠れた職務なのだ。

人はどうやると育つか? 教えれば教わり、こなして行くのか? 絶対に違う。知識や技能への渇望がなければ、何事も身につかない。聞くだけでは覚えない、体が動かない。意慾と意思が伴わなければならず、そのためには<自らが欲している>ことが必要なのだ。

部下や仲間を教育することの原点は、寄り添う姿勢が何より重要であり、その秘訣は「相手の話を真剣に耳を傾ける」ことに尽きる。

教えるための秘訣は、次の5つに隠されている。

        1 教える相手の名前を呼びかける

        2 話したことを反復して、相手から話してもらう

        3 相手の話を真剣に聞くことで、理解の程度を測る

        4 再び説明して、再び話してもらう

        5 喜び、学び、意欲を持つには、相手の話を聞く態度にある

学ぶ人、教える人、人間関係は全てD・カーネギーの『人を動かす』に極意がある。人は誰も自らがかけがえのないものとして、強い自己尊重心がある。その表れは、心地よい声で自分の名前を呼ばれた時に自覚できる。つまり、学校などの教育現場で必ず実施されている点呼、出席確認はこの原理に従っているのだ。

教える、教わる、強固なチームワークを築くためには、<相手の名前を正確に呼ぶ>という技術を身につけておきたい。相手が関心を持って臨むためには、あなたが関心を持って呼びかけるという原理原則なくして、「指導や育成、教えること」は絶対に不可能なことなのだ。

マネージャーの第一歩として人間関係を円滑に、そして強固なチームワークを発揮するためには、あなたが相手の声をきちんと聞き、そして名前で呼びかける癖を身につけることが大切だ。業務の課題や実行、計画立案や評価、改善活動の根底には「人を動かす」技術が欠かせず、それは極めてシンプルな原則に従っていることに気づくことが重要なのだ。

イーソーコ総合研究所 主席コンサルタント 花房 陵