物流不動産ニュース

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災いもビジネス insurance(第34回) 物流マネー70兆円のゆくえ

物流が社会問題化したのは誰かが仕掛けたからだ。人手不足でトラックドライバーが集まらないというが、トラックが大好きな若者もいるのに需要と供給がアンマッチになっているのは、市場原理を排除する悪者がいるに違いない、と考えるべきだ。

運びたい利用者と「その料金ではやりたくない、別の仕事を探す」という供給側の意向の違いが問題の本質だが、それは問題ではなく市場システムの機能不全なのである。

輸送料金や宅配料金の値上げを悪と見るのは間違えであり、物価と賃金が連動することを知りながら、物価上昇だけを嫌うのは社会システムを否定することにほかならない。

事実、景気向上策としてアベノミクスで取り上げている金融緩和は、物価上昇をもたらすための政策であった。

物流料金だけが嫌われるのは偏見と差別にほかならない。

いま、物流業者からの逆襲が始まっているだけであり、物流サービスを利用してきた事業者にとしては単なる原価上昇という災でしかない。リスクともいえる環境変化に備えるのは、チャンスを生み出す道に乗ったということなのだ。

あえて言うなら、ビジネスサイクルは環境変化によってより強固な事業構造を生んできた。

円高、オイルショック、人手不足、規制緩和とコンプライアンス強化、法令強化と圧倒的な強豪の市場撹乱、さまざまな脅威を乗り越えて生き残ったものが称賛を受ける。退場するものが敗者であり、そこには慈悲はない。

災いをリスクと捉えそれを乗り越える改善と革新を目指したとき、進歩と成功が待ち受ける。

輸送問題を解消するために、販売から据え付けサービス・ビジネスに転換したのは、印刷機コピーマシンだけでなく、発電所、ジェットエンジン、地下鉄鉄道などを着々と仕掛けているGEがある。

かつては超巨大な家電業界、充電業界の王者だったものが、アジア振興の競争を避け完全に撤退して、金融保険ビジネスに進路を変えた。そして今、再びかつての重電業界に帰り咲いている。しかも、販売ではなくユースサービス(利用提供)ビジネスの覇者として、すでに君臨、返り咲きに成功したのだ。

敗者の言い訳に耳を貸すなら、勝者の機会は遠ざかるのみである。

 

<イーソーコ総合研究所 主席コンサルタント 花房陵>


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