物流不動産ニュース

物流、物流不動産、倉庫を網羅した
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倉庫が面白いという人 − 第2回 物流不動産のにぎやかな人たち

 わが国の物流業の歴史は有史以前までさかのぼります。縄文、弥生時代にだって蔵という、食品の保管を行う施設がありました。世界最古の木造建築物も考えてみればソウコだったですよね。

 交易が活発だった江戸時代には多くの物流業者が存在し、現在の100年企業にもその全史が残されています。400年産業だったといっても良いでしょう。その安泰とした仕事が大激変となった21世紀、発想を変えれば勝てる、もっと強くなれる、ルールが変わった、大チャンスだと気づいたのが大谷でした。「ソウコもウンユも待ちの商売だから、・・・・」お客さんを待っているだけの仕事から、宣伝して情報を発信し、出かけてゆく営業スタイルに転換すれば、・・・・そのためにITと携帯電話を活用したら、・・・持っているという強みが弱みに変わった途端、弱みをもう一度強みに転換することもできる!

 旧態依然とした倉庫業界こそ、新しい仕組みで価値の創造ができるかもしれない、と考え付いたところから、不安な倉庫業から強い倉庫業になれると確信したのでした。

 世の中は永久に続くだろうと思われたデフレの真っ最中。料金も給料もすべてが値下がり、保有資産の価値もどんどん下がって行くばかりでした。倉庫という不動産は、地域に根ざした地域密着型の人情世界です。貨物があれば、商品があれば、そこで作られたところに保管する。倉庫の需要は地域経済の中心にあって、地域景気の雲行きにあわせた仕事だったのです。

 輸送と交通技術が進歩して日本全国2日もあればどこにでも行ける高速網がありながら、どうして倉庫は地域産業なんだ!・・・経済がグローバル化、会社員もさまざまな国籍の人が働くようになっているのに、どーして倉庫の営業が全国や世界に広がらないか。ITとインターネットがあれば、情報は瞬時に全国に広がる、貨物も商品も全国を空から見れば必ず偏って存在するはず。

 そんな大局観を持ったとたんに、倉庫の空き情報は全国に広がり、全国から貨物と商品の需要が湧き出したのです。地域経済から全国経済への転換だったのです。自分の倉庫だけでなく人の倉庫も扱い、地域の貨物だけでなく全国の貨物をマッチングすれば、空き倉庫もすぐに埋まる、地域に埋もれていた倉庫情報がインターネットで白昼にさらし出されれば必ずマッチングできる、そう信じた大谷はインターネットの倉庫マッチングサービスを開始したのです。
(イーソーコ総合研究所・主席コンサルタント・花房陵)