物流不動産ニュース

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突然の指名 - 第1回  物流不動産Bizの人材開発

物流不動産ビジネスという舞台では、若い新しいマネージャーが登場する。物流企業にあっては新規事業部であったり、新しい物流センターの開発であれば、センター長への専任指名だ。ある日突然、真っ新な若手が登用されて営業組織や物流現場を任される。その時、現場のリーダーとして組織運営を任されるのはほとんど経験をしていないルーキーなのだ。

人材開発とは教育というの名の下に「与える側、受け取る側」の受動と能動を前提にしていた。習う者、教わる者というのが今までの常識といわれてきたが、<アクティブ・ラーニング>、つまり自らが学ぶ姿を取り入れよう。「求めることで得られる学習経験」がこれからの人材開発に欠かせない、学ぶ姿勢なのだ。

なぜなら、過去の先輩たちの常識は今現在もこれからの未来に取っても不都合であり、理論公式は現場では無用の長物と化しているのが現代だからだ。物流ユーティリティープレイヤーの悩みと不安に答えてゆこう。

 

物流サービスを開発する物流不動産ビジネス事業部や新規の物流センターでは、あなたを指導する経験豊かな先輩やリーダーはいない。このような事業モデルはかつて存在していなかったし、物流センターができるたびに経験者を配置するほど、豊富な人材余力は企業には残っていないからだ。どこかの営業経験者や物流センター勤務者はいるだろうが、彼らのノウハウがこれからも有効である保証は全くない。

企業内人材構成はそもそも中間層が存在していないし、物流不動産ビジネスというモデル経験者は存在していないからだ。

だから! 任命されたあなたは全く臆することはないのだ。初めての大陸へ乗り込む冒険者としての意気込みさえあれば、そしてサービスを開発する意欲があれば、あなたが創造主であることを自覚すれば良いのだ。

 

どのような産業でも似たような構造が起きている。製造業でも流通業でも、中間層の欠落によってノウハウの継承が滞っている。その代わりにシステムツールや標準化マニュアルがあり、使い手の知恵によって業務の単純化と標準化、そして付加価値の創造が任されているのだ。

いきなりで戸惑う、ということはあなただけではない。周りを見て比べる必要もなく、この不安感はあなただけのものではないことに安堵すべきなのだ。

突然の指名、命令、辞令に習うべきものは、貴方の良心であり、職務への誠実さだけである。

置かれている立場を理解するにも時間がかかるだろうが、ビジネスの目的に沿って自身の良心と誠実さ、そして成長する努力を決意することから貴方自身の人間開発が始まるのだ。

学ぶべきものがない、無人島に孤立した状況から、貴方のビジネスは始まる。否、創造がスタートするのだと。次号から、若い悩み、仕事と生活、経営戦略の立て方などの貴方が職場で必要とされる創造の道筋について解説して行こう。

 

イーソーコ総合研究所 主席コンサルタント 花房 陵