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延 嘉隆の物流砲弾<16>今更・・・、私とロジスティクス【前編】 

年明けての1月、“勝手に”連載をお休みさせて頂いた。表現する欲求を高めることが出来なかった・・・のではなく、年始から出張が相次ぎ、その時間すら取れなかった。ふるさと福岡に始まり、ハノイ、クアラルンプール、プノンペン、コタキナバル(ボルネオ島)、そして、深々と雪降る新潟・・・。


▲コタキナバルで終日アテンドしてもらった美人セレブのMay Tan

各地での物流パーソンとの出会い、視点や意識の違い、ご縁から学ぶ多くの気づき・・・は、ロジスティクスの醍醐味なのかもしれない。コタキナバルで、中国の物流企業からの「日本の物流企業は海外に関心がない」との一言を忸怩たる思いで聞いた。

さて、本題。年始一発目の連載は、そのくせ、“堂々と中身ゼロ”。物流業界で働く全ての物流パーソンが、一切、読む必要のないことをダラダラと綴ってみたい。


将来の夢は貨物船の船長、月星化成の“引き込み線”&“初荷”萌えな小学生


小学生の頃、お約束的に書かされる“将来の夢”。筆者は、「貨物船の船長」と書いた。小学校2年生の時だった。筆者が生まれた福岡県久留米市は、嘗て、軍都として栄え、それに呼応する形で、軍需産業としてのゴム産業、周辺部の炭鉱労働者に地下足袋がヒット、タイヤ産業が育まれていくことで発展を遂げてきた。

ブリヂストン・月星化成・アサヒコーポレーションは、“ゴム3社”と呼ばれ、“あの頃”の街には活気があった。街の産業を牽引する“ゴム3社”、その商品があらゆるところ売られることは、子どもながらに誇りさえ感じた。

筆者が通う小学校では、“ゴム3社”の一角を担う「月星化成」の工場に社会科見学があった。その時、初めて見る、工場内の引き込み線を見ながら、この線路が東京に繋がっているのか・・・と、幼心ながらに、まだ見ぬ都会に憧れを感じた。また、街ネタの風物詩の一つに、月星化成の“初荷”がある。“初荷”の記事を見ながら、“モノが作られ、そして、運ばれる”ということを朧げながら意識した。今思うと、この時が初めて、“物流”を意識した瞬間だったのかもしれない。


▲ムーンスター工場の周辺(延氏が地元の知人に撮影してもらったもの)

その頃から、ある種、“非日常”ともいえる物流現場の光景をカッコいいと感じるようになった。大きな貨物船、港、大きな倉庫、整然と並ぶトラック駐車場・・・。三つ子の魂百まで・・・なのか、今、こうして物流業界でお世話になっていることに、特に理由も無い。単純に、子どもの頃、カッコいいと感じたからだ。もしかしたら、潜在意識のなかに、モノが運ばれて初めて(消費者の)評価を受ける、つまりは、成功のイメージとシンクロしていたのかもしれない。

トップガンを見て軍ヲタ・・・からの湾岸戦争、ロジスティクスとの出会い


中学校1年の時、トムクルーズが主演する映画『トップガン』が爆発的にヒットした。元来、乗り物は好きな方であったが、この映画を見て、戦闘機や軍艦をカッコいいと思った。そして、キレイに“中二病”、福岡県築上町にある航空自衛隊築城基地に体験入隊した。翌年もした。

高二の自身の誕生日の1990年8月2日、イラクがクウェートに侵攻し、翌年1月、多国籍軍がイラクを空爆して湾岸戦争が始まった。人生で初めて垣間見る戦争の映像を毎日食い入るように見た。衝撃だった。そのニュースや新聞記事で、聞き慣れない“ロジスティクス”という言葉を知った。即座に、辞書で調べると“兵站”と書いてあった。なぜか、無性にその言葉に関心を抱いた。物流業界の方がどうなのかは知らないが、筆者が、多くの物流パーソンと一線を画すことがあるとすれば、軍事をキッカケにロジスティクスへの関心が芽生えた点にある。それゆえ、「Logistics」という単語に「Strategy」を組み合わせた「Logirategy」という社名に思いを込めた。

カンボジア国連PKO活動を見て、政治の世界へ


河合塾で浪人生をしていた1992年、テレビのニュースは「自衛隊を海外に出すや否や」が問われたPKO法案(国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律)の是非で一色だった。時を同じくして、1993年4月、カンボジアの選挙監視のボランティアの中田厚仁さんが活動中に銃撃されて亡くなった。その時、父親の中田武仁さんが、「身を捨てても、やるべきことを息子はした」と、毅然と語る姿に衝撃を受けた。「果たして、自分は、誰かのために、ここまでの覚悟を持って臨めるのだろうか?」、そう思い、政治の道を志そうと思った。


▲1月にプノンペン(カンボジア)を訪れた時のもの

大学入学と同時に、同じ地元で、まだ、政治家として名前が売れてなかった自民党の古賀誠元運輸大臣・元自民党幹事長のもとを訪ね、週に一回、今でいうインターンのようなことをしていた。数ヵ月後、古賀先生の派閥の先輩議員にあたる加藤紘一元自民党幹事長の事務所を紹介され、加藤事務所でインターンを行うようになった。折しも、“YKK”として政界にその名を轟かせ始めた頃だった。

それゆえか、当時、筆者以外のインターン生は全員東大生。正直、世の中、頭がいいヤツがいっぱいいるな・・・と思った。余談ながら、その後、皆、官僚になった。(昔の省庁名でいえば)通産・運輸・郵政と、各省庁に散らばった。

*次回【中編】に続きます

●延嘉隆氏プロフィール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
株式会社ロジラテジー代表取締役。
物流企業経営の視点で、財務戦略(事業承継・M&A・企業再生)・マーケティング戦略を融合し、物流企業の価値を上げる物流コンサルティングファームとして評価が高い。
物流企業を中心に、事業承継・相続、物流子会社の売却など、“ロジスティクス”、“卸”、“小売”などの財務課題で、卓越した経験を有する一方で、物流現場に作業員として入り、作業スタッフとの対話に勤しむ一面も。延氏の詳しいプロフィールはコチラ。

*本連載に関するお断り