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成功を語る意味 experience-第21回 物流不動産Bizの人材開発

過去を振り返ることを避けるのは、社会が変わったからだと言う。ビジネス環境は確かにそうだ。価値観や旧来型モデルが生き続けることが珍しい。しかし、組織の構造や人間関係のルールは普遍であり、経営にとって人財がすべてなのは、子どもが国や社会の宝と言うのと等しい。

この普遍性を利用して、組織づくりに全員が自身の成功体験を語ることが重要だ。

成功体験を語ることを避けてきたのは、時代の流れにビジネス感覚やマーケットのルールが変わってきたからであり、同じ切り株にうさぎは躓かない。しかし人間関係や人との関わり方には変わりはなく、むしろ希薄化した対話不足が問題なのだ。その証拠を探ってゆこう。成功から何を学ぶか、それは自立と依存の勘違いを再確認することから始まる。

独立、自立、独り立ちとは成長の進化と信じられているが、その反意語である依存心や帰依は用途を誤っている。誰にも頼らずに自決することを独立や自立と呼ぶが、親や友人のように排除できない「依存すべき人」が最後に残る。すると、自立したはずがその最後の人には依存せざるを得ず、酷いときには隷属、盲従せざるを得ない立場に行き着く。完全に独立した生活や人生など存在しない。

自立とは、より多くの依存できる人をまわりに迎え、偏ることなく多くの依存先を持つことだと氷解する。自立とは限りない依存先を持つことであり、選択できることであることに気づく。

人生年齢や経験を問わず、最高の体験感覚は誰もが得た宝だ。努力の獲得、表彰、達成、到達、挑戦、高い評価を受けた経験は、その人の成功体験と言える。努力や時の運に囲まれて自分の誇るべき宝だと記憶に深く残っている。克己心、犠牲、貢献、我慢、辛抱など、自身の歴史だと記憶するが、実は影に隠れた支援者の存在を思い出すことも出来る。近くの縁者、友、上司や仲間が応援していたことを思い出せる。

過去の成功は自分の依存していた人の存在があって、初めて日の目を見たことに想いを馳せるなら、<過去の体験>は紛れもない人間関係の教訓になる。

 過去の成功体験は真の自立だったか?

  • あなたの成功体験は何ですか?
  • それはどのようなものでしたか?
  • その時、あなたの身近には誰がいましたか?
  • その人は、あなたに何をしてくれましたか?
  • あなたも私たちも心がけることではないでしょうか?

 

自立とは完全無縁の自己ではなく、多くに依存し、依存を働きかける自由な心なのだ。組織もまた独り立ちを孤立ではなく、影や表から支えるパートナーが増えることでより強固な人財が育つ器に変わる。過去の成功体験を自慢話として避けるのではなく、その裏にある教訓を聞き、学ぶことから新たなる気づきを得ることだろう。

「その時、あなたの周りには誰がいましたか」


イーソーコ総合研究所 主席コンサルタント 花房 陵


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