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キャスタリア株式会社 山脇智志 代表取締役ー挑戦者に聞く 第2回(後編) 

【対談】IT×教育で、世界を変える人財を創る

キャスタリア株式会社代表取締役 山脇智志
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株式会社イーソーコドットコム代表取締役 早﨑幸太郎

 

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前編の続き)

 

教育をミッションとする会社の人材教育

 

早﨑:日本の企業は減点主義というか、失敗に寛容ではないと感じることが多々あります。イーソーコグループは出発点が物流ですが、特に従来型の物流企業では、仕事をしない人の方が評価されるといわれていました。誤出荷とか返品とか、物流の仕事はやればやるほどミスが出ます。しかし物流はやったことに対する加点ではなく、ミスしたことに対する減点で評価されてしまうのです。仕事でミスをしないようにすると、仕事そのものをしない方がいいという結論になるのも当然です。

 

山脇:ミスについては防ぐことも大切ですが、ミスが発生した際にまず二つのことを実行しなければならないと考えています。一つ目がミスそのものをリカバーすること。二つ目が再発を防止することです。

 

早﨑:イーソーコグループでもよくいわれるのですが、チャレンジした結果としてのミスであれば、それに対しては叱責しません。でもそこで原因を追究していかないと、同じミスを繰り返すことになってしまいます。教育という点でいうと、山脇さんも起業後はスタッフを育成する立場にあるわけです。ミスをした際や再発防止についてはどのような教育をされているのですか。

 

山脇:ミスについてだけではありませんが、私は「知らなかったことは罪ではない、でも知ろうとしないことは罪だ」と考えています。ミスが発生したとき、それが知らなかったことに起因するのであれば仕方がない。しかし、繰り返し起きたときは違います。なぜ一度起きたことに対して原因を知ろうとしなかったのか。でもやっぱり、今の若い人は昔に比べて怒られることに慣れていません。今は逃げ道がいくらでもありますから、私が強く言ったことで逃げてしまうような、そういうプレッシャーを与えないようには心がけています。スタッフが会社に来なくなって困るのは、社長である私ですから。

 

早﨑:確かに。私もですが、昔は怒られて成長していったものです。しかし今は、怒らずにどう言い聞かせるか、どうモチベーションを上げるかが、経営者の重要なスキルになっています。スタッフをまとめ上げるのが難しい時代ですが、山脇さんが組織づくりをされる上で心がけていることをお聞かせください。

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山脇:政治的な意味はないのですが、私は会社をコミューンだと考えています。私も、他人のうちの子供でも容赦なく叱る大人がいる田舎で育ちました。でもコミューンというのはそれだけ結びつきが強く、むしろ困った時は助け合いの力が非常に強くはたらきます。そういう意味で、この会社にいる限りは幸せに、安全に生きていけるということを保証したい。これが私の目指す会社です。意味も分からず怒鳴られるようなこともなければ、上司がクドクド愚痴をいうこともない。行きたくもないのに飲みに連れていかれることもない。そういうコミュニティのなかにありながら、一人一人が自分の生き方を実現できる。そういう会社にしていければと考えています。

 

早﨑:会社として理想ですね。しかしどんな組織でも、人数が増え、拡大していくにしたがって目が届きにくくなっていきます。逆説的ですが、組織が大きくなればなるほど、その理想はかえって共有しにくくなってしまいがちです。

 

山脇:そうですね。先日読んだ「スモール イズ ビューティフル」(E・F・シューマッハー著)という本のなかで、発展途上国に必要なのは「教育」と「規律」と「組織」だと述べられていました。教育して優秀な人材をつくらなければ外資は工場を作ってくれませんし、現地の人を雇ってくれません。それも個人個人だけではなく、ある程度の組織を構成し得るだけの力が必要です。さらに、組織には規律が必要です。それは発展途上国もベンチャーも、まったく一緒だと考えています。当社も今では社員だけで14人、外部のスタッフを合わせると25人ほどになります。マネージャークラスを育てなければならないし、権限も委譲しなければなりません。ミスジャッジが起こる可能性もありますから、そうした際の判断も含めて差配できるような人材を育てていかなければなりません。

 

早﨑:人材を育成するには環境も大切です。山脇さんは長年ニューヨークで生活された経験から、歴史を経た建物をリノベーションした空間に好感をお持ちとお聞きしました。貴社が拠点を置いている「co-ba Re-SOHKO」も、築年数を経た倉庫をリノベーションしたオフィスです。リノベーションが完成する前に入居を決められたとか。

 

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山脇:そうですね。SOHOを挙げるまでもなく、海外では古い建物をリノベーションして使うのが当たり前です。いわゆる「格好よさ」には2通りあって、流行によって変化するものと、いつの時代でも変わらないものがあると思います。歴史ある建物をリノベーションするというのは紛れもなく後者で、当社のスタッフにもこういう居心地の良さを感じる空間で働いてもらいたいという思いはあります。

日々バーチャルな空間と向き合うIT系の事業をやってきてあらためて感じるのは、人でしかできないことの大切さです。技術が進歩すればするほど、人でしかできないことの価値はかえって上がっていきます。それこそが“人財”の良さで、その良さは決して変わることはありません。変わらないものの良さを感じるという意味では、当社のポリシーに適した空間だと思います。何より私が、こんな空間が大好きなのです。

 

 ▼対談の様子(動画:47秒)


国際物流総合展2021