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【ロジスティクスオン(株) 代表取締役社長/藤田大紀氏】創業の動機と物流支援への想い(Vol.2) 

イーソーコグループは、物流不動産ビジネスの業界化に向けて、若手経営人財の育成に注力している。昨年は20〜30代の社長が3名新たに誕生し、次世代のリーダー候補も多数育成中。こうした取り組みの一環として、feelyou経営デザイン研究所の協力のもと「創業塾」を開催する運びとなった。今回からはリレー形式で創業塾の受講者6名へ、受講の感想と今後の展望について聞いていく。

受講者インタビュー初回はロジスティクスオン㈱代表取締役社長の藤田に話を聞く。

     ロジスティクスオン(株)代表取締役社長 藤田大紀

2018年上智大学卒。宅地建物取引士。フォークリフト免許保有。

新卒として、会社イーソーコドットコムへ入社。東運ウェアハウス株式会社でのジョブローテーションを経験後、イーソーコ株式会社へ配属。

2020年日建学院田町芝浦校校長に就任、同年に外資系企業案件担当および、専任の宅地建物取引士として、外資系企業を含むクライアントへの不動産仲介を担当。物流不動産部では、ストラテジー、法務、SFAツールや、イーソーコ.comのSEO対策に従事。他方で、イーソーコグループの採用教育課として、新卒研修、既存社員研修運営等の人財事業に従事。

2024年11月よりロジスティクスオン株式会社代表取締役に就任。

 

1.創業塾に参加しようとしたきっかけを教えてください。

以前から経営における原理原則やビジネスモデル、管理会計といった知識は、会社経営において不可欠だと感じていました。

まずいなと焦りを感じながらも、日々の業務の中ではなかなか学習の時間が取れず、課題意識を持っていました。

そんな中、不動産の実務経験が豊富で、「人を大切にする経営」を信念に活動されている中小企業診断士の桑岡さんと、経営不振の企業再建の実績をもつ同じく中小企業診断士の今長谷さんが講師を務めると知り、ぜひこの創業塾に参加したいと思いました。

2.「経営者になりたい」と考えるようになったのは、どのようなきっかけがあったのでしょうか?

イーソーコの不動産業務で、実際に欧米本社の日本法人の代表と商談を重ねる中で、日本に進出する企業支援のニーズを感じたからです。

日本でビジネスチャンスをつかむために進出する企業の多くは、英語を使って日本の空き倉庫を探します。そして、希望条件に沿う倉庫が見つかった時には、事業の開始日までの計画を立て、日本のルールに基づいて手続きを進めていく必要があります。

その一方で、多くの企業では、ある期限までに日本で倉庫が必要なことは把握していても、本社から日本法人の代表までに具体的な条件が伝わっていなかったり、条件が伝わっていても、どこまでが必須でどこからが任意なのかが明確でないケースも少なくありません。

そのため、情報の共有不足によって日本法人側で理想としていた倉庫が実際には、理想から程遠いということもあります。もし、それが原因で、事業が予定より遅れてしまい調整のために余計なコストが発生してしまうと、本社からの日本法人代表の面目は潰れてしまいます。イーソーコでの業務の中で、実際にそのような難しい立場に置かれている日本法人の代表と接する機会が増えるにつれ、もっと力になりたい、良い方法があるのではと考えるようになりました。

そのような状況の中で、イーソーコグループで創業させていただく貴重な機会をいただいたので、ロジスティクスオン株式会社を立ち上げることを決意しました。

設立したロジスティクスオン株式会社では、まず、日本法人の代表の方とコミュニケーションを積み重ねていき、倉庫を探すために最低限必要なことが何か、あらかじめ明らかにします。そして、日本で倉庫を稼働させるその日から逆算して、物件の探索・契約手続き・工期などをお客様視点で考え、日本法人の代表が、スムーズに事業をスタートできるような伴走型の支援を行っています。

こうした取り組みの背景には、イーソーコグループで私が経験した日本企業や外資系企業との成約事例、あるいは惜しくも成約に至らなかった時の経験が活かされていると思います。また、日本の会社を対象に、物件探しをする企業は多いですが、海外から日本に魅力を進出する中小企業に対しては、きめ細かく丁寧な対応を行う会社は少ないと感じています。そこに、当社の存在価値があると思っています。

3.実際に受けて、どのような気づきや学びがありましたか?

企業経営において、理論や知識があることが必要なのはもちろんですが、それ以上に経営における哲学や信念をもっていることが非常に大切であることを学びました。そしてまた、あらゆる事業に対して当事者意識をもつことの重要性を感じました。

創業塾では、参加メンバーである経営者が自身のビジネスモデルを発表し、そこから見えてきた弱みや脅威に対して、全員で課題をディスカッションする場が多く設けられていました。例えば、競合他社との差別化に悩んでいる場合には、メンバー全員でその解決策を考えるといった内容です。それぞれ細かな状況は異なるものの、どの経営者にとっても他人事ではないので、大きな学びのある時間となりました。

議論であがった打ち手を実行したらすぐに売上が上がるようなことはないと思いますが、あらゆる経営戦略や組織の課題に対して、自分事にして考える思考訓練の場をもてたことが自分自身の将来への糧となると思いました。

また、創業塾メンバーが始めている(または始めようとしている)事業モデルには以前から興味がありましたが、自ら足を運んで代表に話を聞くことはありませんでした。
創業塾では、講義やワークショップ、ランチを通じて自然と対話が生まれ、回を重ねるごとにその時間の貴重さを実感し、「よい時間にしたい」という気持ちが芽生えていきました。

最後に、今後の展望について教えてください。

経営者は弱音を吐けないという面で孤独を感じる場面も少なくありません。今回の創業塾は短い期間ではありましたが、メンバー同士がビジネスモデルを発表し合い、自社(自分)の強みだけでなく、他社(相手)の強みも、理解できるだけの時間と環境がありました。

このような場で学べたことに感謝し、皆様への恩返し、そして次世代への恩送りができるように、今後も精進していきたいと思います。


【イーソーコ創業塾】

 

 前回記事:講師のお二人へのインタビュー記事はこちら

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