【マテハンアドバイザー・宅地建物取引士/佐々木淳氏】学びを土台に挑む、物流不動産ビジネスの新しい視点(Vol.4) 
イーソーコグループは、物流不動産ビジネスの業界化に向けて、若手経営人財の育成に注力している。昨年は20〜30代の社長が3名新たに誕生し、次世代のリーダー候補も多数育成中。こうした取り組みの一環として、㈱feelyou経営デザイン研究所の協力のもと「創業塾」を開催した。受講者6名にリレー形式で、受講の感想と今後の展望を聞いていく。
第3回となる今回はマテハンアドバイザー兼宅地建物取引士の佐々木に話を聞いた。
マテハンアドバイザー/宅地建物取引士 佐々木 淳
マテハンメーカーにて営業職として勤務し、物流不動産への関心を深める。顧客の物流センターが自社保有から賃貸へと移行していく事例を数多く経験したことがきっかけとなる。
コロナ禍には宅地建物取引士試験に合格するとともに、Webクリエイターの資格を取得。従来型の営業に加え、Web・不動産の知見を掛け合わせた新たなアプローチの可能性を追求している。
1.創業塾に参加しようとしたきっかけを教えてください。
もともと、いつかは自分で事業を立ち上げたいという思いがあり、今回のプログラムへの参加は、これまでの自分の歩みを改めて見つめ直す良い機会になるのではと感じたことが、ひとつのきっかけです。
特にマーケティングや営業、会計といった経営の基礎に関わる知識を、もう一段深く学び直したいという気持ちが強くありました。
また、自分の考え方や行動が独りよがりになっていないか、営業面で基本から外れてしまっていないかといった漠然とした不安もあり、それを解消したいという思いもありました。
実際に参加してみて感じたのは、講師の方々や他の受講生の視点を通じて、自分ひとりでは到底気づけなかった点に数多く気づかされたということです。
第三者からの率直なフィードバックを受けたことで、物事をより広い視野で捉え、自分自身の考え方を客観的に見直す貴重な機会になりました。
2.「経営者になりたい」と考えるようになったのは、どのようなきっかけがあったのでしょうか?
これまで企業の一員として、現場や管理の仕事を通じて多くの経験を積んできました。そうした日々のなかで徐々に感じ始めたのが、自分自身の知見や視点を、もっと広い範囲で活かせるのではないかという思いです。
特に、次世代を担う若手社員の育成や、組織全体の方向性を見極めることに関心が深まり、現場目線だけではなく、より高い視座から組織の成長を支える立場が必要なのではないかと考えるようになりました。
社員という立場では、どうしても自分の裁量には限りがあり、取り組みたいと思っても踏み込めない領域が存在します。組織にとって必要だと感じる施策や変革があっても、それを自ら主導して実行に移すには、経営という立場での判断と責任が求められます。
そうした経験を積み重ねる中で、「いずれは自分自身の理念のもとに事業を運営し、もっと自由度の高い形で人と組織に貢献したい」と考えるようになりました。
経営者という立場を通じてこそ、自分が本当に果たしたい役割に近づけるのではないかと、自然と起業への想いが強まっていきました。
3.実際に受けて、どのような気づきや学びがありましたか?また、印象に残っている講義は何でしょうか?
今回のプログラムを通じて、経営における資金運用に対する自分の認識の甘さに気づかされました。
資金面は企業経営の土台そのものであり、ここをおろそかにすると、その後の方針が崩れ、経営を軌道に乗せることが一層難しくなると実感しました。
加えて、営業の方法や工夫についても、社員としてこれまで培ってきた営業スキルだけでは不十分であることに気づく貴重な機会になったと思います。
印象に残っている講義は物流不動産全般とパーパス経営についてです。
私は異業種出身で、以前は不動産とは異なりシステム(ハード・ソフトを含む目に見えるソリューション)中心の業界に身を置いていました。そのため、どうしても発想が偏りがちでしたが、物流不動産およびパーパス経営を学ぶことで、これまでにない視点を持つことができるようになったと感じています。
また、講義内容とは違いますが、20~30代のメンバーが主でしたので、こうした若手の発想、思いを聞くことができたのも大きな収穫です。「草食系」と揶揄されることの多いZ世代ですが、慎重かつ真剣に事業を構想していることを間近で知ることができ、自らを振り返ったり、励みとなりました。
4.今後、この経験をどう活かしていきたいと考えていますか?
今回の創業塾で得ることのできた営業、マーケティング、経理といった知識は、起業後のあらゆる業務において、大いに役立つものだと感じています。
特に、起業前の段階でこうした知識や視点を学べた経験は、今後の事業展開をより具体的かつ現実的に描くうえで、大きな助けとなりました。漠然としていた構想に輪郭が生まれ、事業プランも一層実践的で、実行可能性の高いものへと磨かれた実感があります。
創業に向けた準備のなかで、この経験は確かな土台となってくれると確信しています。
現在は、「次世代物流ビジネス研究会」にも参加しています。
中小物流業の活性化をテーマに、物流(輸配送・荷役・ネットワーク)に加え、不動産やDX、人財といった各分野で、各社が持つ力を最大限に発揮できるようサポートしていきたいと考えています。
この研究会を通じて、異なる企業同士が連携し、知見やリソースを共有することで、より効率的で持続可能な物流の仕組み作りに微力ながら貢献できればと思っています。
最後に、今後の展望について教えてください。
起業に向けて、本格的な準備を進めていきます。
具体的には、営業面(誰に、何を、どうやって、という基本的な部分)、Webを活用したマーケティング、イーソーコグループとの協働活動の策定など、強みを活かした経営を実践したいと考えています。
古めかしい言葉かもしれませんが、「ビジネスは人が持ってくる」というように、人との出会い、縁を大事にしながら、少しづつでも前に進むことができたら、と思います。
【イーソーコ創業塾】
前回記事:講師のお二人へのインタビュー記事はこちら。
次回記事:coming soon…