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国交省▼最低車両台数・適正運賃収受WG立ち上げ、運賃制度にメス 

2010年10月18日

 【物流ウィークリーhttp://www.weekly-net.co.jp/】国土交通省の検討会の1つである「トラック産業の将来ビジョンに関する検討会」(野尻俊明座長=流通経済大学教授)は、中間整理で持ち越しとなっていた「新規参入時の最低車両台数」と「適正運賃収受の取り組み」について具体的に検討するワーキンググループ(WG)を立ち上げる。
 正式名称は「最低車両台数・適正運賃収受WG」で10月13日に初会合を開く。
 座長には野尻氏が決定したほか学識経験者、荷主団体、トラック事業者団体の代表ら10人程度で構成。初会合を含め5、6回協議を重ね、来夏をめどに結論を出す。90年の物流2法施行以降、問題を指摘されながらも本格論議は行われなかった最低車両台数と運賃に、どこまで深くメスを入れることができるか注目される。
 トラック団体からは天野智義・東京ト協副会長(天野運送)、川島誠・愛知ト協会長(中日運送)、坂本克己・大阪ト協会長(大阪運輸倉庫)らがメンバーとして内定。荷主団体は経団連ほかで9月28日現在、国交省自動車交通局貨物課が「委嘱」の諾否を確認している。
 検討会では「最低車両台数と適正運賃収受という二つのテーマそれぞれのWGを設けてはどうか」との意見もあったが、「どちらも関連性があり、同じメンバーで同時に検討していくほうがベター」と一本化になった。
 「最低車両台数」は、検討会が7月に中間整理をまとめた時点で「引き上げるべき」との見解が多数を占めているが、国交省内部には「規制緩和で最低台数を引き下げてきた経緯もあり、間口を広げてきた『参入の自由』を奪うことになる」との慎重論も根強い。
 一方、「適正運賃の収受」では「『認可運賃に戻せ』とまでは言わないが、現行の貨物自動車運送事業法で規定する『標準運賃』のようなものは設定すべき」との声がトラック業界内に強く、WGにも同様の意見を持つメンバーがかなり入った模様で、白熱の議論が予想される。
 関東ト協(星野良三会長)は同法第63条に基づく「適正な原価及び適正な利潤を基準とする標準運賃及び標準料金の設定」を要望しており、東ト協などで展開している「原価計算」のデータをWGの参考資料に提供することもあるという。このほか国交省が昨秋、首都圏を中心に行った「運賃収受実態調査」の結果などを分析し、「運賃制度のあり方」も論議していく。
 ただ、志村務貨物課長は「話し合いはこれからで何も決まっていない」と前置きした上で、「論議はするが難しいと思う。諸外国とのバランスがある。また認可運賃時代も『実勢運賃』があり、実効性が問われた」と指摘。「標準運賃というものを現実にどう組み立てていけるか、理論的、技術的にも難しい」と話す。
 トラック業界は規制緩和で新規参入が容易になり、事業者が急増。悪質業者も増え、過当競争で運賃水準の低下が続いている。環境・安全対策、ドライバーの待遇改善、従業員教育をはじめ、社会保険等未加入問題もすべて「適正運賃が収受できない」ことに起因する。WGが「運賃制度の抜本的な改革」を実現できるかどうか、多くの事業者が期待を寄せる。
http://www.weekly-net.co.jp/logistics/post-5376.php