物流不動産ニュース

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イーソーコ主催・第1回物流不動産塾▼約60名の参加で賑わう 

2008年03月18日

 イーソーコ主催の第1回物流不動産塾が第3東運ビル8階で行われ、約60名の聴講者が集った。
 最初に、イーソーコの大谷巌一副社長による講演「物流業界に直言。いま注目の物流不動産で勝ち組へ!」が行われた。
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<熱弁を振るう大谷副社長>
 ここではまず、プロロジスのジェフリー・シュワルツCEOが来日時、現在の資産規模が約5600億円に達し、2010年には倍の1兆2000億円規模にすると述べるなど、物流不動産ビジネスが急激に浸透していることを明かした上で、物流不動産ビジネスの定義(=「物流施設を基軸とした総合営業」)から、ビジネス誕生の背景、今後の状況予測までを解説。
 外資系ファンド会社を中心に供給が進む、高機能型大規模施設は、従来は大手メーカー、大手物流業者が施設を独占する形となっていたが、大手を中心とした取得の動きが一巡し、現在は中小物流業者でも獲得できるチャンスが生まれていると述べ、物流不動産知識の活用を武器に収益を伸ばしている物流業者は実際にでていると語った。その上で、施設集約化の付加価値型3PLを実践するとともに、集約化によって空いた自社倉庫はイーソーコが掲げる「Re-SOHKO事業(倉庫リファイン事業)」でテナントを埋め、収益を向上させる手段を述べた。
 今後、東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城の1都4県で建築される施設面積は、イーソーコ側が現在、依頼を受けたり、把握しているものだけで51万坪超に達している状況のなかで、今後、中小物流企業がこれらの施設を自社で活用するためには、「物流不動産」のスキル取得が必須であり、「変化にどう対応していくか。いまの状況を手をこまねいてみているだけでは、収益を徐々に減らしていくだけ。『生き残る企業は、最も力の強いものか。そうではない。最も頭のいいものか。そうでもない。それは、変化に対応できる人と企業だ』」と進化論を唱えたダーウィンの言葉をもじり、講演を締めくくった
 次にイーソーコ総合研究所の花房陵・主席コンサルタントによる講演「物流コストを知る究極の物流改善」が行われた。
 ここでの講演内容は次のとおり。
 各種統計で出される試算ではGNPの8%(42兆円)、さらに統計にあらわれない物流を含めると60兆円以上といわれる国内の物流業界市場に、まず外資企業が着目。物流不動産を活用した大型の高機能施設の供給が始まった。
 物流改善の第一段階として、物流コスト削減にメスを入れ、ムダをなくしてきた大手を中心とした企業は、次に在庫削減=キャッシュ創造の取り組みにかかり、製販の迅速化を図るために、物流不動産施設への移転を行い、施設の集約化を図った。この動きはこれから2部上場、中小企業へと波及していくとみられている。大手などでは、現在では、ムダをなくすことによって得られるコスト削減効果は小さく、逆にコスト削減による、さまざまな歪も生み出している。施設集約化による削減効果は大きい。
 当然のことながら中小企業では、文化を持った物流のある大手と違い、ムダの多いダメ物流に陥っているケースがあるので、改善を進めていく必要はある。ただ付け加えると、部分最適のなかで、「最大の売上をめざし、最小の製造コストを図る」ために、売上をあげるほどコスト増を招くなど、在庫の問題を正面からみることができないジレンマに陥っているケースもみられ、調達から販売までをトータルでみていくことが必要となる。そうしたベースがある上で、今後、どうしていくのか。
 大手はすでに着手し、2部上場・大手関連企業への波及が図られるなか、メガセンターと呼ばれる物流不動産施設活用は中小物流業者へ移行する。ロジスティクス経営革命で、いかに収益を向上させていくかが、いま問われている。
※物流不動産塾は今後も毎月開講。