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三井住友建設▼免震倉庫向け新工法開発、建設コスト削減 

2008年07月17日

 【物流ウィークリー http://www.weekly-net.co.jp/】昨今、価格が上昇しているのは燃料だけではない。鉄骨価格も急激に上昇し、建設コストを圧迫――物流施設の建設にも影響が出ている。
 このような状況を踏まえ、三井住友建設(東京都新宿区)は、物流施設、特に免震構造の倉庫向けに新たな工法を開発。「工期短縮・コスト削減」というニーズに応えるという。建築生産計画部の梅木俊毅次長と、技術研究所建築研究開発部の小坂英之・建築構造研究グループ長に話を聞いた。
 新開発されたのは「スタックブレース工法」。従来、ブレース(耐震要素=水平方向の力に耐えるために斜めに入れる補強材)には鉄骨が使われてきたが、価格上昇により、代わりにRC(鉄筋コンクリート)が用いられるようになった。しかし、コンクリート流し込みなど、作業工程で時間がかかるなどの課題があった。
 新工法では、プレキャストのブレースを使用。あらかじめ組み立てられたブレース部材を壁枠にはめ込み、仕口部(接合部)にモルタルを充填して結合する。多くの実績を持つ同社独自のプレキャストの施工方式「ミック構法」のノウハウが存分に生かされ、仕口部の施工方法などにミック構法と同じ手法を採用。小坂グループ長は、「施工しやすさは鉄骨ブレースに、強度は鉄筋コンクリート壁に匹敵」と話す。また、梅木次長も「工期の短縮と建設コストの削減、その両方を実現する」とアピール。
 新工法は、同社が全社的に取り組んだ技術開発プロジェクトで生まれた。小坂グループ長は、「施工性の向上、鋼材費の削減など、常にお客さまのニーズに合った高品質のサービスを提供していく必要がある」とプロジェクトの意義を説明する。
 同工法は、免震構造の施設にのみ適用可能。梅木次長は、「事業継続の観点から、免震構造のご依頼を受けるケースが増えてきた」と現状を説明し、耐震要素に同工法を用いることで、「鉄骨の使用量を抑えることができる」とコストメリットをあらためて強調した。
http://www.weekly-net.co.jp/tnews/cat14/post-2892.php#more