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中部地区初の物流不動産セミナー▼120名が参加し盛況 

2008年07月18日

 今年7月1日より、イーソーコグループが運営する日本最大の物流不動産検索サイト「e-sohko.com」のASP先として、中部地区において、これまで稼動中だった「中部e-sohko.com」に加え、あらたに「三河e-sohko.com」「岐阜e-sohko.com」の2サイトが加わった。
これを記念して、中部地区で初の「物流不動産セミナー」が7月3日、名古屋市中区の「キリックス丸の内ビル9F」で開催。当初の定員100名を上回る120名が参加。盛況ぶりをみせた。
 ここではまず基調講演として、イーソーコ副社長の大谷巌一氏より「物流不動産の現状と今後の展望」について次のように語った。
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<写真・講演するイーソーコ・大谷副社長>
 大谷氏はこの10年の間で、SCMの在庫削減の流れが本格化し、倉庫業法の改正を契機に従来型の寄託貨物とは異なる賃貸倉庫が増加したことを指摘。とくに外資ファンド会社による物流不動産施設の進出は凄まじく、「米プロロジス1社だけで2007年段階で資産規模は5600億円となり、三菱倉庫・日本通運の資産規模を超え、2010年時には倍の1兆2000億円に達すると報じられた」と語り、物流不動産ビジネスが短期間で成長したことを述べた。
 営業倉庫事業と不動産事業の垣根がなくなっているなかで、物流不動産ビジネスは、物流業者にとっても、柔軟に従来型の寄託倉庫と賃貸倉庫を組合せ、収益向上に寄与するビジネスモデルであることを示唆。
「物流不動産ビジネスを総合格闘技のリングにたとえると、不動産業・金融業の出身母体企業は、リーシング、ファンドを活用し、巨大マネーが動く一撃必殺・スピードが命の『打撃系』。それに対し、物流業の出身母体企業は、運賃・保管・荷役など積み上げ型のビジネス展開で長期レンジの償却を行う、『組み技系』に位置づけられ、物流業の出身母体企業からすると、不動産業・金融業の出身母体企業は脅威に感じられるかもしれないが、物流不動産ビジネスを成功させるためには、物流・不動産いずれかのスキルだけでは上手くいかず、両者を組み合わせた物流不動産ビジネス総合ファイターをめざすことでビジネスチャンスは生まれる」と激白した。
 さらに首都圏を中心に1万坪以上のMegaセンターが大量供給されるなかで、既存施設の集約化が加速。玉突き的に中小規模の倉庫の空洞化が発生している状況のなかで、従来のビジネスに固執してしまっては、収益を減らしてしまう。たとえば集約化施設として積極的に物流不動産施設を活用し、3PLの有力な武器として活かすとともに、集約化によって空いたスペースについては、倉庫の堅牢で広い空間スペースを活かし、状況に応じてオフィス・スタジオなど収益をあげられる施設へと再生していく。「変化に対応できる人と企業」が、今後、生き残る企業として、物流不動産に関わるサポートをイーソーコグループでは提供している、と締めくくった。
 基調講演のあと「中部イーソーコの歩みと今後について」、ホンダロジコム専務取締役の鈴木憲一氏から講演された。
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<写真・講演するホンダロジコム・鈴木専務>
 この講演において鈴木氏は自社の概要について次のように説明。
 ホンダロジコムは1963年に設立し、今年創業45年を迎えた。当初はトヨタ構内作業に特化した物流業者だったが、15年前から、①物流アウトソーシング、②物流システム開発、③物流コンサルティング、④倉庫ネットワーク-の4つの柱を軸に置いた3PL事業に着手。2007年度の売上は63億円となる。トヨタ物流を長年経験した経緯から「トヨタ物流方式を用いた物流システム」を物流コンセプトに置き、物流トータルサービスを提供していくことに現在心がけている。
 そう述べた上で鈴木氏は、イーソーコと提携を結び、3年前にイーソーコ中部を立ち上げた経緯について、「3PLを開拓するにあたり、SCMの最適化を提供するためには最良の物流施設が求められ、当社でも、とくに施設に関しては長年苦労してきた。そうした流れのなか倉庫情報ネットワークが不可欠であり、また自社・賃貸倉庫の有効活用と、物流不動産の有効活用を図っていくために、日本最大の倉庫ネットワークを持つ、イーソーコとの協力のもと、イーソーコ中部を立ち上げた」と解説。現在は「中部e-sohko.com」の運営のほか、AMB春日井DCのリーシング事業の着手、さらに今年から倉庫リファイン事業を立上げ、豊和工業の工場施設を倉庫施設として再生するなど、物流不動産事業の枠を拡げ、活発に事業を行っていることを語った。
 物流不動産ビジネス分野における、今後の取組みとしては、①3PL顧客開拓に向けての共同化の推進、②大型倉庫計画参入とPM事業拡大、③倉庫リファインプロジェクトの推進、④倉庫管理システムの開発と普及、⑤イーソーコ中部の拡大-を図っていくとして締めくくった。