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IBMビジネスコンサルティング▼日本企業は顧客起点のサプライチェーン構築が課題 

2009年04月30日

 【LNEWS(http://www.lnews.jp)】IBMビジネスコンサルティングサービスは4月24日、世界の主要企業でサプライチェーンを統括する上級管理者を対象に行った調査結果を発表した。
 同調査は、2008年5月~8月の期間中、北米、欧州、日本などアジア太平洋地域25か国の計約400社(日本は27社)を対象に、IBMのコンサルタントによる面談などで実施したもの。
 今回の調査では、トップ・サプライチェーン企業のランキングに選ばれた25社中、回答した17社をグローバル・リーダー(ベスト・プラクティス)と想定して、ベンチマークの対象にした。調査の結果、主要な課題は顧客との親密性、サプライチェーン可視化など5点に大別されるという。
 顧客との親密性では、顧客起点のサプライチェーン構築を目指しながらも、実際には多くの企業が顧客との結びつきよりもサプライヤーとの結びつきを深めていた。日本企業では、世界の56%を約20ポイント上回る74%の企業が、顧客との親密性の構築が重要と考え、顧客ニーズを正確に把握することが大変重要と認識しながら、製品開発と需要計画の両面で協働して顧客ニーズを掴む取組が遅れており、社内に閉じたサプライチェーンとなっている傾向があるという。
 サプライチェーンの複雑化で、世界では60%、日本では73%がリスク管理を重要な課題に位置づけている。例えば、社外パートナーを含めたサプライチェーン全体で供給が止まるなどのリスクを管理すべきと考えている。リスク管理の阻害要因として、プロセス標準化の遅れ(世界46%、グローバル・リーダー48%、日本63%)やガバナンス問題・利益相反など組織上の課題(世界23%、グローバル・リーダー19%、日本46%)が挙げられ、本来管理すべき事項が管理しきれていないことが浮き彫りになっている。
 サプライチェーンの可視化では、サプライチェーン担当上級管理者は、適切な情報を可視化し、それに基づいた行動ができていないと考えている。日本でも、ビジネス・パフォーマンスの測定や異常発生時に警告を発するイベント・マネジメントなど、情報が伝達された後に次のアクションへとつなげる取組ができていない傾向がある。可視化を妨げる要因は縦割り組織や多忙の他に、日本では64%(世界52%、グローバル・リーダー34%)の回答者が協働や可視化の重要性の認識が低いとしている。
 従来からの課題のコストも、変動費化を進めるために、ロジスティクス領域を中心にアウトソーシングが行われているが、外部へ依存するだけでなく、戦略の見直しや拠点配置の最適化などを行った上でのアウトソーシングで、高い効果を上げている企業が多く見られる。
 最後の課題、グローバル化は、コスト削減よりも売上の拡大に効果的と考えられている。日本でも製造業などの領域で海外移転が進んでいるが、グローバル化でサプライチェーンの全体的なパフォーマンスが向上した日本企業は22%(世界37%、グローバル・リーダー59%)にとどまっており、真の意味でグローバル展開するサプライチェーンは実現できていない模様。
 今回の調査では、サステナビリティについても調査した。約半数の日本企業は、環境問題がサプライチェーンに与える影響は大きいと考え、このような認識は世界の回答率37%よりも進んでいる。世界の他地域に比べ日本企業のグリーン・サプライチェーンの取組は進んでおり、約7割の日本企業は環境配慮設計や製造でのCO2削減に取組んでいる。半数の日本企業は自社外の流通段階やサプライヤー選定で環境に配慮している。