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館林運輸グループ▼事業会社化によって新規事業を積極的に推進 

2009年08月03日

 【月刊ロジスティクスIThttp://www.logi-it.jp/】館林運輸(本社=群馬県館林市、吉田直記社長)は物流サービスをカテゴリーごとに事業会社化。短期間で急成長を遂げた企業だ。ここ7~8年でのグループ全体の売上規模は推計で何と10倍以上に膨れ上がっている。
 同社躍進の原因がどこにあるのか。本紙ではリサーチした。
 躍進の理由は3つある。
 1つは「人のネットワークにとどまらず、ITを積極的に活用し、情報+ヒューマンネットワークに基づいた、新しい価値の創造に尽力してきた」(館林運輸・吉田社長)こと。
 2つ目は事業会社化を図ることで、専門性を追求し、顧客の高度ニーズに応えてきたこと。
 さらに3つ目として、グループ内のサービス向上にとどまらず、「北関東イーソーコ・com」の運営をはじめ、外部との協業を積極的に推進してきたことだ。
▼事業会社化で収益性が向上
 このうち2つ目の事業会社化の動きについてはこうだ。
 まず2002年に人材派遣会社として設立された「インテレクトオーガナイゼーション」。現在では「北関東イーソーコ・com」の運営をはじめ、施設企画・開発、賃貸サブリース、物流関連業務の受託など、グループ全体の企画・開発部門事業を手がけており、いわば館林運輸グループの中核企業として機能している。このほか「館林運輸」と「インターロジスティクス」が輸送・配送・3PL、「日本物流センター」が物流センター請負、「ワールド・ワン」が不動産仲介を中心とした業務を推進している。
 事業会社化は専門性を高めるとともに、「運送だけ、あるいは倉庫だけで儲かればいいという甘えを捨て、各事業部が責任を持つ形で事業が進められる」(同・吉田社長)効果もあげており、成長の原動力となっている。
 ▼EC物流も本稼動
 さて、事業会社をみてもわかるとおり、館林運輸グループは、短期間のうちに、実にさまざまな新規事業に着手している。
 まず3PLプロバイダーとしては、物流機能全体の包括的な受託を推進できる体制を整えているだけでなく、環境を意識したリバース物流を含む取り組みを推進。昨今のセキュリティ需要を反映し、文書保管などにも応えている。
 最近では生産・物流・流通を貫流するSCM改革に取り組むべく、物販事業も積極的に展開。今年6月には、女性向けにダイエット商品やヘルスケア商品を提供するECサイト「ビューティープラス」の事業譲渡を受け、ECサイト事業にも進出。と同時に北関東エリアにある500~600社あるといわれるECサイト業者をターゲットにしたEC物流の本格的に稼動させた。
 外部との協業を含めたヒューマン力+ITで、常に市場をリサーチし、柔軟な発想力を持って貪欲に挑んでいく、それが館林運輸グループの底知れぬパワーの源泉となっている。
 「グループ内外の得意技を持ち寄り、今後もさまざまな取組みを行っていく」という吉田社長。躍進は今後も続きそうだ。