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AIと正月 

先日参加したある学会の総会。テーマはAIと自動化で、当然ながら「労働の大部分がAIにとって代わられるという未来像は揺るがない」という大前提のもとに発表がすすめられていく。なかでも興味深かったのが、働く必要がなくなった人類を養うための経済システムの考察だ。

現在有力なのが、国(という概念がまだあると仮定して)からの給付金がなければ大多数の人々はやっていけないという説。よくいえば、労働はすべてAIにまかせて人類は悠々自適に、という世界だ。いわゆるベーシックインカムの完全導入だが、ここに至るまでに乗り越えなければならない壁がいくつかある。その最大のものが、AI保有者と非保有者との経済格差だという。

AIが仕事をこなすようになれば資金はAIに流れ、それまで仕事をしてきた人々には流れなくなる。これは当たり前の話で、18世紀末の産業革命の際にも仕事を奪われることを危惧した労働者が機械を打ちこわした例がある。個人の利益と全体の利益がイコールであれば問題はない。しかし現実には往々にして相反している。AIが生む利益を、どうやって全体に行きわたらせるか。この問題をどう乗り越えるかに、人類の真価がかかっているとさえいわれている。
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人間のしごとをすべて代替できるような汎用AIの実用化には、50年から100年はかかるといわれている。そこから実際に仕事を肩代わりするまでさらに数十年。そのころの社会がどうなっているのか、門外漢の筆者は正確に予測するだけの知識をもっていない。ここはあえて楽天的に、要するに正月のようなものだということにしておこう。お年玉ももらえるようだし、なにか明るい未来が開けているような感じもするし。それに正月は、なにか新しいことに挑戦するいい機会だ。AIが人間のチャレンジスピリットまで奪うと思ったら大間違いだぞ。

 

(久保純一)2017.01.05