物流不動産ニュース

物流、物流不動産、倉庫を網羅した
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物流不動産への片思い 

先日、東京ビッグサイトで開催された「不動産ソリューションフェア2018」に出展したイーソーコグループのブースに、ほんの少しだが立たせてもらった。来るのはほとんどが不動産業界の関係者で、物流関係者は皆無。物流不動産という言葉について、みなさん基本的な知識をお持ちだったのはやはりというべきか。

不動産業界の人々がイメージする「物流不動産」とは、次のようなものだろう。まずは用地を確保し資金を集め、大規模高機能型物流施設を建てる。そこにテナントを入れて利回りを上げ、そのまま経営を続けるか、投資家に売却する。こうした手法は不動産開発のそれとまったく同様で、理解しやすい。昨今のマルチテナント型物流施設の開発手法もこの流れを踏襲しており、一般的な説明としてはこれが「物流不動産」でマルがもらえるだろう。ここまで知っていれば充分だが、ちょっと残念に思ったのが次のような反応がいくつかあったこと。「でも、資金もノウハウもある大手がやるものでしょ」。

たしかに、物流施設の開発には資金もノウハウもいる。しかし前述のとおり、その流れは一般的な不動産開発と変わるところはない。もちろん物流についての基本的な知識は必要だし、好適地の取得には独自のルートがあったりもする。法知識が必要な場合もあるし、設計だって独特だ。しかしこれらのノウハウは、必要ではあるが習得しなければならないものではない。それぞれの専門家に任せれば、じゅうぶん事足りてしまうのだ。現に某大手不動産会社の物流施設開発部門は、物流経験者なしで運営されている。

イーソーコグループのブースには、多くの方が足を運んでくれた。フェアの会場で実施した物流不動産セミナーも満席になった。いずれも、不動産業者が持つ物流不動産への高い関心を裏付けるものだろう。自分たちの持つ不動産のスキルを物流で活かせないか。そう考える方は、はっきりいってかなり多い。大手不動産会社が軒並み物流不動産に進出しはじめたのも、ビジネスとして有望かつ自分たちの持つ開発ノウハウが活かせるからだ。そして物流不動産で活かせる不動産ノウハウは、開発だけではない。仲介でも管理でもサブリースでもリノベーションでも、不動産にまつわる全ての業務は倉庫・物流施設にも当てはまるのだ。企業規模の大小は、関係ない。

「物流不動産に興味はあるんだけど、うちは規模も小さいしノウハウもないし」。そんなにもじもじしている時間があったら、思い切って飛び込みましょう。物流不動産は、きっとあなたを待っていますよ。

 

久保純一 2018.10.20