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変わる住宅関連業界 その2 − 第13回 大きく変わる業種・産業界

 人口が減るのに世帯数は増加、少子化が進むのに単身世帯が増えている。けれども、住宅着工件数は減少が止まらない。すると、家電製品の買い替えよ り新規が増えて、住宅のリフォームが好調になる。給与所得が増えないから、外食や趣味娯楽の支出が減って、内食、インテリア、ガーデニングが増えてくる。
 一見すると矛盾するような購買行動、消費行動が見えてきます。住宅産業は、関連業界の好況によって全体としては復調してきているのです。
 変化は辺境から生まれます。業種を変える動きは、業際や業種混在から生まれてくるのです。競合や差別化の方法も変わりました。世界一の家具メーカー IKEAは続々と日本進出を果たしていますが、第1号店の宣言は『お買い物を楽しんでもらいたい、我らのライバルは日本の家具店ではなく、ディズニーだ』 の意味を深く考える必要があるのです。
 業界は素材に縛られすぎています。自動車は鉄とIC、家具は木材と鉄、家電はプラスチックと鉄、では鉄鋼業界はというと、すでに製造よりは流通商社に変わりました。

 新日鉄と住金は工場統合の効果ではなく、商圏の統合が狙いだったのです。製品の価格競争を避けるために、マーケットを分断させないための事業提携です。
 小さくなりマーケットを競争のために細分化するのはナンセンス。新たな価値と商品を共同開発して、更に深堀りするための提携が進化しています。

 住宅産業は関連業界の発展によって、一戸建てに必要な家財道具から、タワーマンションに似合う製品への転換がチャンスです。

 耐震工事やリフォーム工事によって、都会での安全な生活が求められています。高齢者が安心して住まうために、情報機器やセンサー、アラーム、ネッ トワーク機器の使いやすい便利さが買われています。Ipadを冷蔵庫に据え付けて、賞味期限や食材の在庫把握、買い物忘れを防ぐためのアラームやメモがス マホに連動しています。

 家を欲しがったのは、サラリーマンの夢だったからでしたが、住まいを始めると不便と不都合の固まりになっていることに気づきました。これが成熟社 会の意味です。高すぎる住宅ローンの固定金利、所得の不安があるときに不動産を相続資産にする意味が分からないから、子供のいない夫婦はモーゲージ・ロー ンで持ち家を賃貸形式に転換しようとします。金融機関サービスは、住宅関連でも低い預貸率の問題を解決できないでいます。

 ローンの借換えや不動産のオフバランスだけでない、済む権利の販売、家や不動産の証券化、家そのものの生前贈与や分譲など、手がけていないチャンスとビジネスがまだまだあるのです。

 変革は辺境から。遠くから産業や業界を見ていると、まだあんなことやってるよ、と意見されることを振り返りながら、新しさに向けばチャンスはまだある。
 人の行く、裏に道あり花の山、なのですね。

 
(花房 陵 イーソーコ総合研究所主席コンサルタント)