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サイテック・ジャパン▼SaaS型最適配車「WebSTARS」をスタート 

2008年09月03日

 【月刊ロジスティクスIT記事掲載http://www.logi-it.jp/】現在、庫内管理・受発注分野を中心に、SaaS型のサービスが物流分野でも浸透しつつあるが、TMSの分野でどれだけ本格的に浸透してきているか、といえば疑問を呈する向きも多いのではないだろうか?
 確かにSaaS型サービスは1サーバーのもと、複数ユーザーがサポートされるため、安価な月額料金でサポートされるメリットがある。その一方で、国内の配送環境は、海外と違って非常に細やか。
ASP型の最適配車システムを提供する企業があるので、いざ使用してみると、レスポンス(配車までの算出時間)が相当かかって使えない仕組みという評価も市場からは聞こえてくる。
 TMS分野では、有力ベンダーの多くは、たとえWeb対応化が図られているケースにおいても、基本はパッケージソフトというスタンスを崩していないのもそのためだ。
 こうした状況のなか、数秒のレスポンスで、さまざまな車両運行上の制約や、顧客の制約に対応しながら、最適な荷物の積載、配送ルート、スケジュールなどを瞬時に計算。通常のパッケージソフトに劣らない最適配車システムを作れないか、というコンセプトのもと、サイテック・ジャパン(本社=東京都文京区、伊倉義郎社長)が構築、このほど本格的に販売をスタートさせたのが「WebSTARS」だ。
 WebSTARSは、同社の最適配車システム「STARS」をベースに構築。安価な初期設定費と月額利用料(3万円~30万円※オプションによって異なる設定)で、使用でき、算出時間は長くても、わずか数秒。100注文ほどの算出であれば、配車算出にかかる時間はわずか0・3秒で終わらせてしまう。
 データ入力はExcelで行え、必要最小限のデータを入力し、そのデータをアップロードするだけ。それだけで瞬時に計算を行い、その結果はExcelファイルとして、すぐにダウンロードでき、自由に加工が行える。専門知識がいらないため、誰にでも使える。
 これだけで分刻みの配送スケジュールや運行指示書を作成。変更も容易にできる。
 複数デポを使ったルート設定に対応し、荷積み制限(縦・横・高さ)、配達の時間指定、ゲート制約などの厳しい顧客制約を満たしながら走行距離や運転時間を最小化することにより、運送コストを大幅に節約する。
 機能もタリフ・トンキロに基づく運賃計算、燃料・積載・車型・燃料種類・燃費の入力によるCO2計算まで行える。
 特筆すべきは地図上のルート表示。マップはオプションとしてグーグルマップやヤフーマップに表示できる構造で、最新道路情報が自動更新されている状況となっている。配送拠点の到着時間などの情報が表示されるとともに、手修正をかけた際のルート変更もすぐに表示できるようになっている。
 グローバル対応の仕組みで、ローカルな交通情報(速度など)を入れ込んでおけば、たとえばアメリカ、マレーシア、チリなどの海外の配送問題を日本で解くといった使用方法も可能、英語版も準備中という。
 高機能さと操作性、さらには低コストを満足させた「WebSTARS」の登場は、本格的なオンデマンド・ロジスティクス・サービスの幕開けを予感させるサービスといえよう。
 ▼簡易版の提供も同時に開始
 サイテック・ジャパンでは、高機能型の「WebSTARS」以外に、よりシンプルな機能に凝縮した簡易版SaaSの「おまかせルート計算」サービスも提供する。配送ルート先が固定されている物流向けサービスで、地図上にあらかじめ配送先・ルート登録を行うことで、時間・移動距離の計算を行い、運行管理を行っていく仕組み。こちらは月額3万円からの提供を予定している。
 サイテック・ジャパンでは「WebSTARS」の初年度導入目標を30ユーザーにおいており、今後、日本に続き、米国でも販売を行っていく。
 ▼輸配送分野のEDI化・業者選定できる仕組みを米国企業との協力のもと、今後、日本で展開
 サイテック・ジャパンでは「WebSTARS」の着手に続き、さらに米国企業とアライアンスを組み、国内向けに実行系TMSのSaaS型サービスを今後、展開していく方針だ。
 この仕組みは、運送サービス最適選択管理システム「Visiship」。
 これは日々の荷物の状況と、契約運送業者の運賃や配送レベル(保険の有無まで含め)などを加味し、レートの安い業者の自動選定や荷のコンソリデーションを行うとともに、EDI機能により自動発注・運送確認が行え、支払管理機能により、手書き伝票で起こる請求書エラーの発見と支払いミスをなくすというもの。インターネット環境さえ、あればすぐにサービスが利用でき、米国ではその機能性と手軽さから、急速に普及しつつある仕組みとなっている。
 日本では欧米と違った、荷主・物流業者の関係が構築されてきたこともあり、こういった仕組みが普及しづらい要素もあるが、製品・行き先別での分類活用、車両の大型化への対応、イレギュラー対応などに使用していくことで、効率的な輸送を実現させていくことが可能と、伊倉社長はみている。
 サイテック・ジャパンでは今後も、①「WebSTARS」のように自社内で構築し、管理していくサービス、②「Visiship」のように他ベンダーとのアライアンスのもと提供していくサービス―の2つでTMSのSaaS化を進めていく方針だ。
▼サイテック・ジャパンHP▼
http://www.saitech-inc.com/indexjp.asp