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退去時のトラブルをいかに回避するかを伝授▼実践ロジ・物流不動産部会が開催

 実践ロジスティクス研究会(鈴木邦成会長)が立ち上げた「物流不動産部会」(座長・鈴木邦成氏、運営・木村博之氏)の第3回が5月26日都内で開催された。

 ▼LPMで室外機の故障・修理は60万円もの費用を削減

 ここではまずトーウンの木村博之氏よりワンポイントアドバイスとして、「設備修繕とLPM」について解説した。
トーウン木村氏
<写真・ファシリティマネジメントを説明するトーウンの木村氏>

 LPM事業を推進する上で欠かせない、①リーシングマネジメント、②テナントマネジメント、③キャッシュマネジメント、④物流施設マネジメント、⑤ファシリティマネジメント-の5つの項目。この5項目のうち、修繕・保守業務・見積もりとりまとめにあたるのがファシリティマネジメント。

 そして木村氏は、空調機(室外機)の不具合の修理、屋根裏の漏水の改善、2つの事例を上げながら、FMの重要性を説明していった。

 室外機の故障では、従来は業者の現地調査で、入れ替えと判断され、100万円で購入していたケース。オーナー側にとっては支出が増えるのは時勢柄、避けたい。そこでLPMを行うトーウンは、オーナーの支出を削減するべく、モータ交換と基盤交換で対応できるのではないかと判断。3社相見積のもと、36万円と60万円以上抑えたコストで修正を図った。

 また屋根裏からの漏水については、従来は業者の現地調査によって、ウレタン防水の工事提案を行ってきたが、トーウンはウレタン防水とともにシリコン防水という2つの工事法を同時に提案した。ウレタン防水はコストが比較的安価なのに対し、耐用期間は8~10年。それに対し、シリコン防水は12~15年と耐久性に優れている一方でコストがやや割高につく。

 2つの手段を提示することで、ユーザー側は自分のニーズあったものが選べられるようになった。
このようにユーザーニーズにあった空間をいかに提供していくのかがLPMの役割と締めた。

 ▼退去時のトラブルを防ぐには記録をいかに残すかにかかっている

 続いて、「物流不動産契約・取引の実態」について、イーソーコの物流不動産部課長、登坂雅樹氏より説明がなされた。

イーソーコ登坂課長
<「物流業界は契約関係にうとい世界」と指摘するイーソーコ・登坂課長>

 登坂課長はまず、倉庫の契約書を「見たことがある」「読んだことがある」「どこにあるか知っている」人は少ない。物流業界は契約関係にうとい世界と指摘した。

 またオーナーとテナントの揉め事が1番起こるのは退去するとき。双方ともなるべくお金をかけたくないと考えている時に、そこで揉め事を起さないためには、記憶を辿るのではなく、(契約時の様々な、きちんとした資料・現場の画像を含めたデータを)記録として残しておくことが重要とした。

 ここから4つの形態に分け、リスクヘッジのあり方について説明していった。

 ①倉庫を仲介する場合

 所有権や抵当権の有無を確認して、土地・建物の全部事項証明書を取り、所有権・抵当権の有無をあきらかにする。募集上の数字と現況の違いがある場合はそのことを明記する、記載内容の二重三重のチェックを図る。テナントの望む許認可がおりないということも起こりうるので、面談時の確認・登記有無・行政の問合せを図る。

 ②自分で倉庫を賃貸する場合

 権利関係の確認。貸主の財務状況の確認を行う。さらに契約内容の確認。転貸の場合もあり、転貸の許可を所有者からとっているかの確認を行う。

 ③自ら倉庫を貸す場合

 現状をきちんと確認し、原状回復への対応を図る。何月何日にどうなったか、経年劣化と目立つところを、画像データを用い、紙とデジタルデータ2つで残しておく。

 ④マスターリースをする場合

 貸主に対し、賃料を保証するためテナントからの賃料収入が鍵となる。そこでテナントの財務状況を把握する。もう1つは原状の確認。事故・破損発生時に連絡ルートを構築し迅速に対処する。事故報告書をテナントから提出させ責任の所在をあきらかにする。造作を打つ際には事前に工事届・承認願を必ずテナントから提出。これとともに画像を残し記録を残しておく。

 4つの形態を説明した上で登坂課長は、「記憶ではなく記録に残す」「転貸の場合、許可を取っているのか」「退去時のトラブルを回避すること」が3つのキーワードとして締めた。

 ちなみに登坂課長は、様々な法知識を知り、きちんとした契約書と記録を残さなければならない、「こうした複雑な契約の不安を取り除くサービスを、イーソーコでは行う計画」と公表した。

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