物流不動産ニュース

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顧客の潜在ニーズを引き出そう − 64 

 東京急行電鉄が6月から、沿線住民を対象に宅配サービスを始めるという。スーパーや百貨店などグループ各社の商品を各家庭にまとめて専用トラックで配達するものだ。ここで特筆すべきは、商品の配達の際、同時に健康や子育て、住宅リフォームなどの暮らしの相談にのり、住民にグループの各種サービスをも提案するということだ。
 住民にとって自宅にいながらサービスを受けられるし、単に飛び込みで営業にくる企業より、「東急ブランド」への安心感もあるだろう。単なる宅配にとどまらず、各種サービスも提案することで東急グループが、比較的裕福な東急沿線住民の潜在ニーズを掘り起こし、囲い込むことは他社にとって脅威だ。
 しかし、これは物流企業でも応用できるのではないだろうか。営業や配達の際、潜在的なニーズを引きだせるよう「他に何かお困りのことはありませんか?」と声をかけてみる。自分の部署以外も自社の強みを把握し、グループ企業があればそのサービスメニューも頭に入れ、常日頃から様々なアンテナを張っていれば、潜在ニーズを引き出し、新規顧客を開拓することも可能だろう。顧客の要望に対し、自社で無理なら、普段情報交換している他社のキーパーソンに声をかけ、力を借りてみる。意外なところから、顧客に提供できる解決策が見つかることもある。顧客の潜在ニーズを引き出し、「あの人に頼めば、なんとかなる」、そう思ってもらえるビジネスパーソンになれば、より顧客と会社に貢献できるのではないだろうか。

(イーソーコ総合研究所 鹿野島 智子)