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物流連総会▼「異業種の荷主共配が生産性向上原動力に」 

2018年07月04日

日本物流団体連合会(物流連)は29日、東京・港区の第一ホテル東京で定時総会を開催、任期満了に伴う役員改選で田村修二会長が再任、副会長には日本倉庫協会の松井明生会長が副会長に新任で就任した。
 
総会の席上、田村会長は「AI、IoTの動きが非常に早い。新たな時代の幕開けとなるだろう。物流業への最新テクノロジーの導入は、労働力をロボット化にする置き換えではなく、従業員の働き方改革につなぐことができれば、人手不足問題を解消できる。これからの物流を論じる上で欠かせない視点となるだろう。物流に対する世の中の期待も年々高まりを見せてきた。昨年ECの取扱量急増が端を発し、宅配クライスが世間の注目を集めた。その対策には宅配事業者のご努力もあり、消費者の意識がこの1年間で大きく変わった。雨降って地固まるではないが、これまで宅配便が水や空気のような存在だったが、価値を改めて認識してもらったことは画期的だ」と述べた。

来賓として登壇した、国土交通省の重田雅史物流審議官は「一昨年改正した物流効率化では,モーダルシフト47件、共同配送7件、物流施設46件、1年半で計90件認定した。これからも皆様方と歩調を合わせ、強い物流を創出していきたい」と述べた。

また重田氏は物流現場で使用する紙の使用量にも言及。「デジタル化を進め、日本の物流オペレーションで紙を一切使わないシステムと情報共有化を国家プロジェクトで進めてしていきたい」と話し、サプライチェーン全体での情報プラットフォーム構築の必要性を訴えた。 

懇親会で田村会長は「昨年は物流の重要性が広く再認識された。BtoCにもEC物流の影響が波及した結果、同業種・異業種の荷主間で共同輸配送の検討が進むようになった。担い手不足の物流業の危機感から、物流が抱えてきたムリ・ムラ・ムダを廃し、生産性向上につなげる原動力につながるものへとつながると確信する。先端技術を駆使した立体自動倉庫、ダブル連結トラックなど、新機材、新車両の実験が進み、サプライチェーンの最適化に活用できるだろう。生産性向上と従業員の働き方改革を同時に進めることが、今後の物流業界に課せられた共通の課題となる」と述べた。

来賓では石井啓一国土交通省大臣が登壇、「物流は言うまでもなく、経済成長と国民生活を支える重要な社会基盤。生産性向上等を通じ、少子高齢化の時代となっても持続可能な強い物流を実現しないといけない。国交省では2年前から生産性革命プロジェクトを開始しており、今年は深化の年と位置付けている。特に物流分野はなすべきことが多い宝の山。効率化する部分は非常に多い。政府の目標は2020年度までに2020年には15年比20%の生産性向上を目指す。直近の結果では生産性が他業種と比べて大幅向上やトラックドライバーの賃金も上がるなど、明るい兆しが見えるが、他の産業と比べると労働生産性、賃金ともに大きな差があるため、物流生産性革命は道半ばにあるといえる。そこで物流施策大綱に基づいた活動に注力していきたい。モーダルシフト、宅配ボックスの設置、民間企業間の情報連携など、さまざまな形での実現のほか、担い手不足対策では働き方改革によるイメージ向上も重要で皆様とともに取り組んでいきたい」と語った。

続いては副会長に就任した松井副会長が「物流連は業界を網羅するさまざまな業界から参画されているため、情報を得ることができる。ご活用いただきたい」と話した後で乾杯の発声を行った。