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豊洲市場は設計ミス? - 142 

建物というものは本来、あらかじめ想定された用途に合わせて設計・建設されるものである。完成した建物の使い勝手が良くなかったり使えなかったりするのであれば、設計か施工のミスが疑われる。しかし場合によっては、想定の甘さが原因となることもあるようだ。

今年11月7日に築地市場からの移転が決定している豊洲市場。この新市場の建物に設計ミスの可能性が指摘されている。驚くべきことに何点もあるようなのだが、そのうち物流視点で気になるところを2点ほど。まず1点目がトラックバースで、10トン車やトレーラーがランプウェイを上がれず、ウイング車も接車できないという問題が発覚している。もうひとつが床荷重。仲卸業者が入る予定の街区の床荷重は㎡あたり700kgで設計されているが、これは魚を入れた箱を積み重ねればすぐに超えてしまう数字という。

いずれも大きな問題といえるが、今の段階での設計変更は不可能だ。床荷重については手元に資料もなく対策が不明だが、トラックバースに関しては中型以下のトラックのみを乗り入れさせるといった運用でカバーするという。市場は用途が限定されている建物であり、しかも新築である。誰も経験のない用途の建物ならともかく、運用や問題点に関しては十分な知見の蓄積があったはずである。なおかつ今回は既存の機能をそっくりそのままの移転するのであり、建物として必要な構成要素も規模もわかっている。これほどアウトラインがはっきりした建物なのになぜ、と思うのは私が設計の素人だからだろうか。

建ててから「こうした方が良かった」「ああすればこんな使い方もできた」と後悔するのならば理解できる。使い勝手に関して完璧な建物などないこともわかる。しかし建物の機能を大きく左右しかねないミスがあり、しかもそれが設計段階で改善できる可能性があったのになぜ何もせず、今になって問題となっているのか。想定の甘さがどんな結果を招くのか、その怖さを知ることにならなければいいのだが。

(久保純一)2016.04.05