物流不動産ニュース

物流、物流不動産、倉庫を網羅した
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物流不動産の影響について − 51 

 地震による物流不動産ビジネスの影響が出てきている。被災した東北、北関東だけでなく、日本全国に動きが広がっている。また、短期が多いのも特徴だ。
 東北では、被災倉庫の代替倉庫を探す動きが活発化。宮城県を中心に福島県の倉庫への問合せが多い。大規模に被災しているため、1000坪以上の問合せが中心だ。また、関東の茨城県でも、津波被害が大きく、代替倉庫を探す動きがある。
 関東では、東北向けの荷物が動かず、荷物が倉庫から溢れるような現象もあった。東北にある工場が被災し、原料や部品を運び込めなかった。その状況で、海外から海運で東京港に荷物が届いてしまったようだ。1ヶ月から6ヶ月の範囲で、溢れた荷物を一時保管する倉庫を探している。
 さらに、メーカー側で、東北の工場で生産していた製品を、他の地域の工場で生産する動きが出てきた。通常の生産にプラスし、他の製品も生産する状況。そのため、原料保管などに、工場の近くで新たな倉庫を探している。この動きが、日本全国で物流不動産を探す状況となった。
 1000坪以上の中型以上の倉庫が多く、200坪などの小型倉庫の問合せは少なくなっている。
 また、救援物資の一時保管のために、関東を中心に倉庫を探す動きもあった。
 RE・倉庫などの、倉庫からオフィスなどの他用途に変更する案件は話が進まなくなっている。地震の対応に追われるのと、設備投資額が大きいためだ。

 関東の被害状況で多いのが、液状化現象と、荷物の破損、機器のストップだ。
 荷物では、紙やワインなどの液体物の被害が大きかったという。紙では出版社などが今後の印刷物に使用する紙の確保に追われた。
 ワインなどは、ラックに保管していても、地震の揺れと液体の揺れが共振をおこし、ラックから荷物が落ちてしまうことも発生した。
 今回、関東では荷物への影響が大きく、倉庫に求められるものが、耐震から免震や静震といったニーズが増える可能性は大きい。しかし、「免震や静震構造のおかげで荷物が崩れなかった」「免震なのに、荷物に被害が出た」という両方の情報が錯綜している。
 液状化現象では、敷地内に発生したり、道路で発生したりと様々。トラックの出入り、運行に支障をきたしている。貨物エレベーターや、垂直搬送機などでは、地震の揺れを感知し止まった。メンテナンス会社によって復旧までの時間の長短が出た。場所によっては、1週間以上、使えず、物流業務に問題が出るところもあった。