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新米社員が行く!シリーズ第1弾  『あだち物流のひみつ ―モノを運ぶ歴史と文化― 』展に行ってきました! 

こんにちは。物流不動産業界入社一年目の新米社員です。

この業界に入ってまだ一年と経っておりませんが、この物流不動産というビジネスは、物流や不動産に限らず、あらゆる業界の知識や知恵をオルタナティブに応用することが必要だと日々感じております。

そもそも、私は物流業界についてよく理解しているだろうか。正直、自信がありません。自信満々で自信がないことを公にするのもどうかと思いますが、そもそも、「物流」というビジネスが日本で生まれた経緯やその歴史を知りません。それでは、どのようにして学ぼうか。今日では4tトラックで高速道路に乗って遠方まで輸送するのは当たり前。飛行機で海外に空輸するのは当たり前。某通信販売会社は、無人の小型ヘリで商品を配達する実験をしているらしい。では昔は?人力・馬力に頼っていたことは想像できるけれど、どのように現代の「当たり前」へと変化していったのだろう。よくよく考えてみれば、ダンボールや緩衝材がない時代にどのように梱包して、お客様の大切な荷物や商品を運んでいたのだろうか。様々な疑問が頭に浮んできました。そんな時に偶然、こんな噂を耳にしたのです。

「足立で物流の企画展をやっている!?」

物流に関する展示・・・なんてマニアックなんだろう。しかも企画元は行政・足立区。なんで足立区なんだろう。これは物流を楽しく学ぶ絶好のチャンス!居ても立ってもいられず飛び出しやってきました、足立区立郷土博物館。

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エントランスには大きな案内幕が!

展来会開催にあたり、様々な関係団体や個人のコレクターの方々から展示資料や証言を収集されたそうです。

 

―そもそも、なぜ足立区で物流展?

足立は、千住宿の昔から物流の拠点として発展し、江戸四宿最大の流通都市として栄えていました。

昔から東京東部は荒川・隅田川・綾瀬川・中川などの豊富な河川が重要な輸送路として使用されており、江戸時代のハイウェイとして長距離物流を担っていました。

そして江戸時代の五街道であった日光道中、脇往還であった水戸街道はそれぞれ国道四号線、六号線へと姿を変え、さらに首都高速道路、東北自動車道、常磐自動車道となり、現在では江戸東京から北東方面への交通網の要を押さえています。そして、情報通信網が限られ、生産の場と物流を担う人々や組織の身近な距離が重要であった時代、農業や工業などの原材料の生産と出荷の場所を広い土地で確保できたことがスピード勝負の物流をより発展させることとなったようです。また、物流網が発達すると同時に、日常的に修繕が必要な輸送手段の荷車や自動車・船の維持管理や製造を行う職人や企業も自然と増加していきました。これらの地理的要因と歴史的背景により、足立区には物流関係企業が増加し、運輸事業所数は都内一を誇っているそうです。

 なるほど。足立区の発展=物流の発展だったのですね!

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館内では、今ではほとんどお目にかかれないオート三輪[くろがねKGL3型]や都内で一社しか製造していない造船の模型も展示されており、物流に興味のある方やそうでない方も楽しめる内容となっておりました。私は大学で美術史を学んでいたのですが、そういえば国宝級の日本画や浮世絵にも必ずと言っていいほど“モノを運んでいる人”が描かれているなあ、と思い出しました。そんな美術館に展示されているような貴重な絵画にもお目にかかることができます。ボリュームたっぷりな展示に思わず時間を忘れて見入ってしまいました。

机上で本やパソコンを眺めるよりも、当時の貴重な資料とともに物流の歴史を感じながら学ぶことができる、大変貴重な機会でした。会社にいるだけでは辿り着けない「物流のひみつ」、帰社後、興奮ぎみに上司に報告したのは言うまでもありません。

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―学芸員さんが凄いんです

こちらの博物館は、過去に「東京東部のおもちゃづくり」展や「浪人たちのフロンティア」展など、足立区の郷土にちなんだユニークな展示を企画されているのですが、なんといっても博物館の目玉は企画展のコーディネートを担当されている学芸員の方でしょうか。今回の企画展開催にあたり相当な勉強をされたようで、物流の歴史に関する疑問に驚くほど詳細に、そして丁寧に説明して下さりました。専門家と間違えてしまうほどの知識量!感服いたしました。

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学芸員の荻原さん。南京締めと空輸用の木梱包についても説明頂きました。

 

―常設展も面白い!

常設展では、江戸東京の東郊(足立区・葛飾区・江戸川区とその周辺)の近代的な発展の様子を、精巧な再現模型で見て・触れて体感することができます。地域のシンボルであったあの懐かしい「お化け煙突」の模型や大型パネルもご覧になれます。私が個人的に面白かったのが、昭和の高度経済成長期に建てられていた代表的な都営住宅(木造平屋建ての棟割長屋)の原寸大展示で、当時の暮らしをそのままに忠実に再現されています。

 興味を持たれた方はぜひ、足立区立郷土博物館まで足を運んでみてはいかがでしょうか。

特別展の会期は1月12日(月)まで!お急ぎを!

 

 

―『あだち物流のひみつ ―モノを運ぶ歴史と文化― 』展 詳細 ―

会場:足立区立郷土博物館(東京都足立区大谷田5-20-1)

会期:平成26年10月21日(火)―平成27年1月12日(祝)

開館時間:9:00-17:00(入館は16:30まで)

休館日:月曜日

交通アクセス:JR亀有駅北口より
       ・東武バス〔八潮駅南口〕行〔足立郷土博物館〕下車 徒歩1分
       ・東武バス〔六ツ木都住〕行〔東渕江庭園〕 下車 徒歩4分
       JR・東京メトロ千代田線綾瀬駅西口より
       ・東武バス〔六ツ木都住〕行〔東渕江庭園〕下車 徒歩4分
       ※駐車場有

入館料:200円(高校生以上)

    団体(20名以上)は半額、70歳以上は無料。

    障害者手帳保持者およびその介護者1名は無料。

※特別展図録 (A4カラー64頁 600円) 郷土博物館・区役所2階 区政情報室で販売しています。

[足立区立郷土博物館HP]

http://www.city.adachi.tokyo.jp/hakubutsukan/chiikibunka/hakubutsukan/