物流不動産ニュース

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CRE戦略のマネジメント − 第8回 CRE戦略と物流不動産

 企業活動に必要な不動産は、とっくの昔から自前主義から利用価値重視の方向に大きく舵が切れています。企業金融が取引銀行主体の間接金融から、経営者の私募債を含む直接金融に切り替わった時と同じくして、不動産の利用契約方式が圧倒的に増えてきました。

 代表的な小売業である百貨店が、自社店舗の不動産経費を販売管理費にから除外していたために、直接原価把握による商材別事業収支の悪化によって経営統合を余儀なくされた例もあり、「自社物件はタダ」という古い常識が崩れ去りました。

 不動産の空間利用権、情報集積権というものが賃貸借で運用できる状態がベストであるものの、長期的視点では契約の更新拒否ができるような借家契約などの外部変化もあり、今後の不動産マネジメントは自己所有の手法と同時に利用メリットを享受するためにも各種の情報収集と適時適切な意思決定に基づくアクションプランが欠かせません。

 マネジメントの対象と手法は、次のような代表的な事例によって集約できます。

不動産マネジメント要素

•評価および価値の比較分析
•所有や賃貸の実行
•財務諸表への反映と事業収支への影響分析
•ファシリティコスト把握(所有、利用に関わるライフサイクルコスト)
•税制対策
•組織再編
•資産継承(事業継承含む)
•所有と移転の形態(節税面から)
•減損会計対策
•時価評価手法

 これらの活動を計画的に行うことがCREマネジメントと呼ぶものです。
(イーソーコ総合研究所・主席コンサルタント・花房陵)