物流不動産ニュース

物流、物流不動産、倉庫を網羅した
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新産業がもたらす雇用と物流 − 第8回 新経済成長戦略と物流不動産

 新経済戦略の目的はわが国のGNP成長と緊急問題への解決策となるものを据えることにある。住みにくくなったわが国には問題山積である。優先順位をつけたらすべてが、A、A’、A”に並ぶほどだろう。

 現在の問題とは何か?

 ランダムに並べてみると、リーマンショックや平成不景気20年に代表される意味では

 ・既存市場の低迷・市場全体の閉塞、成熟・高い失業率と低い新卒就職率・人口の低減傾向・労働人口の高齢化シフト・非労働高齢者の増加・医療社会保険費の突出・税収不足・国家予算の膨張…

 政権交代してリセットしたくなるのも当然で、政治機関に経営戦略室まで登場したが、大山鳴動ねずみ一匹も出ずにトップの交代となった。

 それほど問題は抑制できずにますます肥大化している惨状なのに、補助金目当ての自動車家電住宅でしのぎ、公共工事の代わりのばら撒き予算で地方に道路が作られる。

 自治体に1億円配って外れた宝くじを買わせるよりは知的かもしれないが、景気対策に補助金とその結果の借金国際ではさらに痴的となるばかりだろう。

 従来型の製造流通の成長がマイナスとなり、その原因も明らかで打つ手がないから次を目指すのは正攻法でもある。

 よってエネルギー、社会インフラ、最先端、宇宙、医療介護などのベンチャーに懸賞金を掛けて、3年後に従業員が10倍になったら社長の特別ボーナ スと免税の特権を与えればよい。総理大臣が国民栄誉賞として褒賞してもよいだろう、天皇陛下から勲章を授与しても当然の成果だからだ。

 仕事はハッピー、ファニー、リスペクト(互いの尊重)、コーポレート(共同)、クリエイティブ(価値の創造)でなければ続かない。ただ汗を出した り、必死の形相では長続きしないのは自分が一番分かっている。国も成長産業にはハッピーでファニーな上述のような仕掛けを準備して欲しいものだ。

 さもなければGNPは30%まで下がるようなショックがなければ、新産業の起爆剤にはならない。すべての経験則から、成長は山谷の道があり、一途な成長産業などは存在できないからだ。トヨタも50年昔は倒産の危機があったし、だからこそ最高峰を目指せたのだから。

 新作業にあげられている業界がいっそうの速度で成長するには、今のままでは辛抱が必要だ。太陽光パネルも風力発電も話題の通りには物量があるわけもなく、むしろ不調の小売業や百貨店のネット通販への移行による物量伸びのほうが魅力的に写るだろう。

 しかし、時代は確実に縮小市場に向かい日本人の労働力は減るから、買わない食べない遣わない時代が到来している。

 ならば、高齢準備世代への魅力を開発して、お台場カジノというのが最も有力だが、免税措置以上に法令対策がややこしい。

 国家の意思で現状問題の解決策として新産業が候補に挙がっている。既存市場は暫時撤収しながら、企業は戦うステージを市場スイッチという手法で乗り換えてくることになる。そしてリストラした従業員の代わりに新産業にふさわしい人材を獲得してゆくだろう。

 物流業界は何でも運ぶ、扱うということをセールスポイントにしてきたから、目立った特長がない。それが強みだったのは事実だが、荷主がびくびくしながら参入している新産業では、頼りたい業者がいればうれしい限りなのだ。

 太陽光パネル専門トラック、介護用品専用のバスショップ、教育出版産業にやたら詳しい印刷会社出身の物流マン、先端技術製品を金庫のようなセン ターでセキュリティ万全を売り物にする倉庫会社など、新産業の何が重要なのかをセールスポイントにあげた物流会社がいれば、相談メールはひっきりなしにな ること確実なのだ。

 お困りの悩みを解決することほど、素敵な商売はない。これがソリューションビジネスというものなのである。
(イーソーコ総合研究所・主席コンサルタント・花房陵)