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経営資源が変わる human data machine (第32回) 物流マネー70兆円のゆくえ

ヒト・モノ・カネ・情報というのが今までの経営に重要な資源であり、それは物流活動にも言える定義だった。いつしかモノはどこでも誰でも製造ができるようになり、製造が得意な企業はOEMで得意先仕様の製造も手がけるようになった。カネは言うまでもなくこのようで最低の価値しかなくなり、金持ちが偉いとは言わなくなっているのだが、我らの行動基準が経済原則一辺倒のために依然として盲信の対象となっている。 

考えれば自明だが、経済成長率が鈍化して利子率が事実上のゼロ、もしくはマイナスとなった途端に持たざる者の優位が明らかなのだ。それなのに保有資産に憧れ、順位付けをありがたがるのは笑止である。 

いっときのランクよりも将来への展望が必要なのは、経済原則が変わることが明らかだからだ。今、企業の業績は株価で示されるが、それを左右するのはESG投資要素と言われている。 

ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字
 
であり、企業の長期的成長や安定にはESG関連の投資や備えをどれほど尽くしているかが重要であると考えられるようになった。 例えれば物流活動への改善活動も、目先のコスト削減ではなく、

 事業の継続性:サステナビリティ
 地球規模のSCM:グローバル調達販売
 コスト超越:超高速業務ヴェロシティ化
 新事業への挑戦:イノベーション創造
 シェア拡大戦略:顧客満足開発

ということになるだろう。

そこに経済的指標の売上や利益が伴うかもしれないが、それはあくまでも長期視野と最終到達目標としての指標であり、先行指標、通過点と見ることになる。 

従来型の経営資源から、未来志向の経営にはヒト・データ・そしてマシンが挙げられることになるはずだ。これこそが希少性であり、獲得困難なきちょうな経営資源になる。人材は言うまでもないが、ビッグデータの時代が到来しても分析力が伴わない現実。システム機材やロボティクスが身の丈に合わずに、ただのテスト環境に置かれていたり、稼働時間事態が確保できていない状況下では、生産性向上以前に投資効果が危ぶまれてしまう。 

物流活動においても、在庫分析、配送経路、コストを掛ける顧客と見送るべき物量の区別が付いていない。全方位、八方美人的な言われて何でも取り組む姿勢がすでに物流の破綻を招いている。トラック不足、ドライバー不足というのは、戦略経営視点の発想ではない。少子化が進む地方に社会インフラを確保する意味、学校新設の是非が問われる中での政治力とよく似た状況にあるのが今の物流業界といえるだろう。 

ヒトとデータ分析が未来のための業務改善となっているのか、そのためのマシンは何が必要なのか、改めて定義し直す時期に来ている。

<イーソーコ総合研究所 主席コンサルタント 花房陵>


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