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変わる自動車業界 その1 − 第18回 大きく変わる業種・産業界

 かつてのケイレツ、産業集団、企業を越えた戦略同盟のモデルと言われた自動車業界は、国内基幹産業というよりもグローバル展開が話題になっていま す。中間層のミドル車種は輸入車となっていて、主要部品も外地調達に変わりました。主要サプライメーカーも海外移転をすでに終えていて、国内生産量は徐々 に低下しつつあります。
 国内需要が減り、新興国が爆発的に成長するなら、現地生産・現地販売が圧倒的に有利になるのは当然です。さらに先見性があったドイツVW社はすでに中国ではシェアナンバーワンを占めています。韓国勢、欧米勢との低価格車両の競争は激しく、国産車の健闘が楽しみです。
 グローバルビジネスの最たるものが、自動車産業と言えるのですが、その前途は実は苦しいようです。先行したデジタル家電やパソコンでの日本製力の撤収が 相次いでいるからでう。高機能でどちらかと言うと高価格のハイエンド商品が日本の得意芸でしたから、アジアでも高所得者層には受け入れられても、ボリュー ムのある中間層では他国勢力に追われてしまったのです。

 産業の強化と競争力は、製品と価格、サービスとその内容での勝負であることは当たり前なのですが、現地経済力と購買の習慣を見極めておかないと努力が報われることが少ないのです。
 BOP、ボトムオブピラミッドと呼ぶ人口や世帯の広がりがある新興国では、数十億人の消費者がいます。ここに日本の戦後経済成長のモデルを当てはめてし まうと、失敗につながるのです。日本は一気に中間層を広めてきて、最近でこそ格差社会と言うようになっていますが、キレイなピラミッドというより中ぶくれ の樽の形で進化を遂げてきました。

 皆が欲しがるものの多さに合わせて、自動車では大衆車というグレードの広がりがありました。アメリカではピックアップトラックという、農業に欠か せない中型車両がボリュームゾーンでした。今、これからの新興国では多くの家族構成から、5人乗りセダンが主流となるでしょう。
 自動車そのものでは厳しい競争があっても、日本独自のメンテナンスフリーの部品やサプライ、別メーカーの修理屋メンテナンスサービスに日本風の丁寧な仕事が求められてくるに違いありません。
 車検制度や自動車関連部品、ショップの充実は日本独自のものです。決して高級品ではないけれど、富裕層限定ではないところに、世界の自動車メーカーとの差別化余地が残されています。

(花房 陵 イーソーコ総合研究所主席コンサルタント)


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