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変わる自動車業界 その2 − 第19回 大きく変わる業種・産業界

 自動車はエンジンとボディでできている、と決めつけてしまうと自動車社会を語ることができません。移動手段、保有満足、趣味の空間、外見のステー タス、スポーツ、レース、交友範囲の拡大、輸送手段と様々な自動車の特性や機能があります。そして、1台の自動車には3万点の部品(ネジやパーツ)がある と言われていて、それぞれの部品を作るメーカーが多いことから、巨大な産業が成立しています。

 ところが、機能や特性を分割してみると莫大なケイレツ産業はことごとく分割されてゆくのです。新規産業、ニュービジネスのチャンスがまだまだたくさんあるだろうことに気づくはずです。
 エンジンを機能展開すると、電気モーター、ハイブリッドエンジン、バッテリーもリチウム、燃料電池(水素合成)、交換できるレンタル電池というように、新しい産業が見えています。
 ボディもスチールからFRP(強化プラスチック)の組み合わせが登場しています。タイヤもゴムとウレタン、パンクしない強化ゴムも登場しました。運転装置も自動ブレーキやカーナビゲーションシステムはITが支えています。

 たった一つ、とても重要なパーツが台車構造なのです。エンジンやモーター、ボディやタイヤを組み付けて、走る、止まる、曲がるの自由自在を安全にキープする重要な構造体です。自動車メーカーはこの台車設計に命を注いでいます。いいえ、今まではそうでした。

 ちょうど高層マンションの建築で、鉄筋コンクリートと鉄骨鉄筋コンクリートの違いがあるように、構造は建設業のメイン事業ではありません。
 自動車メーカーは今までは台車に事業エネルギーを注いできましたが、これすらアウトソーシング、購入パーツに切り替わることも可能なのです。
 ちょうど、ITがOSインフラやアプリ、メモリなどに分割されたように、3万点のパーツは数万社に枝分かれしてゆくことが想像できます。

 『自動車を作っている』から、『自動車も作っている』というメーカーの登場なのです。

 汎用性、応用性、多様性のある製造業が求められています。自動車は家庭用飛行機や宇宙ロケットに転換するでしょう。自転車や個人が使う家庭用ロボットにもなるかもしれません。病院内部での介護機器や歩行手段、車いすの新しい形を提案しているかもしれません。
 魅力的な産業とは、決して大きな産業群ではなく、自在に転換できる自由度や柔軟性のある産業なのです。マーケットに合わせて産業が変わるのは、お題目の ように言うだけではなく、実際に行動に移す段階にきています。どんなモノでも作るし、運ぶし、消費者の現場に届けられる状態に持ってゆくことが成功の条件 です。待たせたり、間に合わなかったり、余計に在庫したりすることは、チャンスロスなのです。
 自動車業界で生まれたJIT理念を応用すれば、売れない自動車の代替品や補完産業は今でもまだ、たくさんあることに気づくのです。
(花房 陵 イーソーコ総合研究所主席コンサルタント)


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