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変わる教育業界 その2 − 第25回 大きく変わる業種・産業界

 教育産業に共通するマーケティング手法は独特です。医療、観光、娯楽や健康促進サービス業の特徴は、マーケティングで言う「商品」の考え方です。<何を売るか>、ではなく、<誰に売るか>という点にその特徴が現れています。
 B社の個人情報漏洩事件の重たさは、このような業界の特徴が背景にあるのです。最も2000万人分のデータとしたら、ソフトバンク、ジャパネット以来の重大さですね。

 さて、教育産業はこれからどのようになってゆくのでしょうか。世界は高等教育に大きくシフトしています。各国の大学でも無料のeラーニングを開始 しています。知識が世界の貧困やサステナビリティに欠かせないからでしょう。学校にはタブレット端末が配られるようになり、重い図鑑や辞書は子どもたちの カバンからなくなる日も近いのです。
 教育現場にITツールが導入されれば、企業並みのインフラ、セキュリティ、サポート、コールセンター業務への需要も高まります。
 少子高齢化、成熟社会をステレオタイプに見てしまうと、新しいマーケットの発見は難しいでしょう。けれども、実態は単身世帯数は増加傾向にあり、消費行 動はシニア世代にシフトしています。販売単価も上昇傾向にありますから、なんとなくマーケティングはあまり変わっていない、時代が変わっても売るための仕 組みや生産・物流には効率化が重要だ、という風潮が残っています。
 
 大きな転換点があることに気づくのは、教育産業を見ればわかります。それは、生涯顧客管理、生涯購買額での顧客囲い込みに向かうことが、経営の最大効率化なのです。
 女性のライフサイクルから始まる、新しい命は生涯にわたってお客様と見ることで教育産業のセオリーが成り立っています。どの世代にどのような商品やサー ビスを提供してゆくか、時代を通じてお客様に納得と満足をいただき末永いファンで在り続けるためには、どのような価値を提供しなければならないか。
 多様な商品とサービスを連続的に供給するビジネスは、モノを中心とした物流ではありません。もちろんモノは多品種、少量でお客様に提供することになりますが、生涯を長い目で見てゆけば膨大なマーケットになるのです。

 <誰に売るか>、時期に合わせて<何を売るか>、この組合せは新しい視点だと思うのです。顧客情報と商品情報、サービス提供による満足度評価やお 客様の感想・クレームから、続々と新商品、新サービスを連続的に供給できるサプライチェーンは、モノ視点ではなく、サービス視点での発想につながるので す。

 教育産業はあまりにも個性的でした。教育的配慮、教育的見地、教育とはね、などと聖職とは言いませんが、別世界のビジネスと捉えていませんか。
 製品やサービスの開発には確かに教育者の知見が必要でしょう、けれども同じお客様に何年も、何回も買い続けていただい、しかも満足や品質を維持するのは、物流部門の役割がたっぷり残されているのです。

(花房 陵 イーソーコ総合研究所主席コンサルタント)


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