物流不動産ニュース

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対軸と絶対軸 − 第11回 物流不動産営業12の心得

 ダブルスタンダード、2枚舌などと二つの視点や考え方、モノの言い方を変えるとずるさに写るが、こちらの方の2つは深い考えを示すことにつながる。それが、相対軸と絶対軸というモノサシの使い道である。
 誰かと比較しての高低やメートルで測った高低数値を相対と絶対と使い分ける。安い高い、便利不便、より好ましいなど、どの尺度でモノを言うかによってモノサシが異なっている。
 商談では説得しようとして、ありとあらゆる語句や用語を並べてみたくなる気持ち生まれる。安い、便利、合理的、効果的、改善効果が大きい、などと知らない物流についてあれこれと提案めいたセリフが出てくるが、果たしてそれは相対観か絶対値なのかを考えてみる必要がある。
 安くなくても良い、便利でなくても良い、効果的でなくても良い、・・・・・相対的に観るならば現代は不確実極まりない時代だから、すべてのリスクをカバーすることが得策だ。
 予防に勝る対策はないわけで、確定コストで済むならば、不確実なリスクを背負うことに依る突発的なコストをカバーすることにつながる。
 物流の相対、絶対の代表例が在庫だろう。在庫を減らしたい、安全在庫だけを確保したい、様々なモノの言いようがあるが、すべてにおいて相対的な発言となっている。
 絶対的な1億円の在庫は多いか、少ないか。それは、日々の販売高に依存している。明日、1億円の商談があるなら、在庫はゼロとなる。明日、100万円の 商談なら100日分の在庫となっている。多いか少ないか、金額か数量という絶対値でさえ、相対的な日々の商談に影響している。
 モノは言いようである。話は聞きようである。高い安いは相対的である。
 商談の流れに軸を置き、線を引いて、交渉に臨んで欲しいモノである。
(イーソーコ総合研究所・主席コンサルタント・花房陵)