物流不動産ニュース

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顧客提案の進め方 − 第7回 再び学ぶ物流不動産

 提案活動とは自社の不都合と他社の都合を折り合いをつけて、すり合わせる行為です。近江商人が唱えた三方良し、の実現は案外難しいものなのですが「売りたい買いたい」という対立を解消することは本当に難しい。

 「もっと高く売ればよかった、安く買えば良かった」と悩む商人はインド人や香港商人の笑い話ではないのです。

 不動産は唯一無二の商品と捉えれば、売りて喜び買いて喜ぶ姿には程遠く、しょせんは妥協で決着することになります。しかし不動産を空間や情報価値として捉えることによって、素早い商談が双方に都合良しをもたらすに違いありません。

 消費や不動産、倉庫の物件を「モノ」として見なせば、常にジレンマに陥ります。高い安いの恨み言になりますが、予想外の利用方法や決済手段、売買 や賃貸借、用途の変更や物流の総合的なソリューションとして提案することで物件がモノではなく、コトとして評価されることがあるのです。

 提案はお客を驚かすことに尽きます。「そこまで自社のことを好いていてくれたのか、考えていてくれたのか」という感動が根底になければなりません。

 安いです、便利です、お得ですと商人に成り下がった途端に商談は笑い話に化ける危険性があるのです。

 物流は生産・販売の後方支援として莫大なコストを犠牲に成り立っています。しかしコストはすでにオープンプライスとして、単価情報は双方が承知の 事実となりました。如何にコストを掛けて生産と販売の速度が上げられるか、波動や集中という物流の宿題をどうやって解消できるか、そのために物流不動産と いう在庫拠点、物流拠点が果たす役割を見出し、提案してギャップを埋めてゆくかに掛かっています。

 物件を中心に据えた作業や配送、情報システムや物流機器のパフォーマンスがどのようになるのか、という運用イメージを顧客に理解してもらうことに 専念することが提案活動です。決して見積書や条件の比較表であってはならないのです。この物件しかない!と納得させるための提案には、物流の生産や販売と いう上流工程から、最終顧客へのリードタイムや納品精度を高めるための総合ソリューションの一貫として物流不動産を置かねばなりません。
(イーソーコ総合研究所・主席コンサルタント・花房陵)


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