物流不動産ニュース

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料金の設定方法 − 第9回 再び学ぶ物流不動産

 不動産価格には4つの基準価格があります。時価(取引価格)、公示価格、路線価、相続税評価額、固定資産評価額であり、取得にあたっては不動産特有の税金が掛かります。不動産取得税、登録免許税、固定資産税、法人税、相続税、所得税、事業所税等などです。

 従来の不動産価格や賃貸借料金は、いわゆる相場(近隣の取引価格、ディーラーの主観)に左右されてきました。国有地の払い下げや競売物件の参考価 格も同様に定められていましたら、妥当性のある決まり方であったかもしれません。最近は不動産を事業投資の重要な資産として見なすようになり、その価格や 料金は投資回収計算に基づくようになりました。

 相場や比較による算定の他に、期待収益の還元法という計算式があります。1億円の現金を保有すると利息はゼロ、ただし金融機関や債券投資を行えば2~5%の利息が付加されます。このように、不動産を事業投資するとどれほどの収益がもたらされるか、という考えです。

 住宅用地の地代というのは昔から売買相場の2~8%という計算式がありました。坪100万円の宅地なら、地代は年額2~8万円、月額で1600~6600円というものです。

 これから、地代として2000円を事業収入として成り立つなら、売買価格を100万円と見なそうというのが、収益還元法による価格の決定方式です。

 近隣の賃貸相場から売買価格を決めたり、事業の用途を創造して収益を算定する、たとえば銀座の一等地では高級小売業や飲食業が成り立つから、ということで売買価格を定めることができます。

 物流事業に供する不動産であれば、更地の資材置き場からトラック駐車場、仮設倉庫や本格的な設備を含むような高機能倉庫を建設することによって、収益還元法によれば売買価格や賃貸価格は提供側がリードを握ることができるのです。

 しかしながらまだまだ、近隣相場や過去の取引事例から価格や料金が定められることが多く、割高、割安の見解が分かれます。妥当な金額であるために交渉も任されるのが事業者の使命ですので、事業収支や収益還元法の理論を学ぶ必要があるのです。
(イーソーコ総合研究所・主席コンサルタント・花房陵)


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