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物流が追い込まれた lockdown(第29回) 物流マネー70兆円のゆくえ

経団連の計画では、デフレ脱却を確実なものとし、GDP600兆円の実現を目指していくとした上で、技術革新による生産性向上を実現する「Society 5.0」最重要課題とした。さらに、重要分野として(1)電子行政、(2)物流、(3)防災、(4)ヘルスケア、(5)観光、(6)農業――の6分野を挙げた。デフレも賃上げも実現できずに名目経済成長だけが取り沙汰されて、過剰生産、過剰消費を期待しているのが分かる。

すると再び物流に期待されることは、一層のコストダウンであり、高速多頻度の従来型物流サービスを求められることになる。決して緩和や抑制、総量規制には向かわない。順大手のヤマト運輸が宅配便の時間指定を緩和したり、大口顧客のアマゾンなどからは総量規制と料金値上げを求めているのに、それは社会問題だけであり、社会解決には向かっていない。

スマートロジスティクスによって解決できるはずだ、という願望に過ぎない。

数えて運び、再び数えて移動させる物流活動は、ロボティクスやメカトロを利用することはできても、完全に置き換えることが出来ない労働集約型、いわば人手作業をなくすことは出来ない活動なのだ。今、トラックドライバーの不足から遊休トラックが駐車場に停車し続けてしまっている。大型物流センターでは作業員の確保ができず、通常業務が精一杯となり棚卸しを端折る事態が始まった。

人手をロボットに置き換えたり、深夜活動をメカトロニクスで代用することは出来ても、最後の点検や始末には人手が必要であり、新たな仕組みやシステムを導入するためには物流企画を構想できる優れた人材が欠かせない。スマートロジスティクスとは成果であり、結果であるから、その経過には大変な労力と人材の苦労が欠かせないのだ。

若い発想、優れた知見、くじけない体力と構想力があってこそITを活用したスマートなシステム導入が実現できるのだが、それには物流活動が改善の宝庫であり、成果を獲得した暁には多額の報奨が期待できる魅力に溢れた業界でなければならない。

経団連の経過この視点が抜け落ちている。だから物流は追い込まれているのだ。

抜け出せるか、この境地から。

異業種発想の着眼点で物流をリフォームしなければならない。規制緩和の次の幕が上がる。

<イーソーコ総合研究所 主席コンサルタント 花房陵>


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